タコのセックスは、とても繊細。
<タコのセックスは、とても繊細。>
タコの性生活はあまりロマンチックなものではなく、グロテクスで、力づく
の性交渉をする、と思っていませんか?
ところが、カルフォルニア大学で行われた最近の研究で、実際の愛情表現は
非常に繊細で愛情に満ちたものであることが分かりました。
これは海洋生物学誌journal Marine Biology Berkeley (2008, April 2)に、UC
Berkeley総合生物学Roy Caldwell教授が報告したものです。
インドネシアのスラウェシスラタン州沿岸の浅瀬にいる、全長20-30cmの
Abdopus aculeatusと呼ばれる、通常よく見られるタコの生活について観察した
結果分かったものです。
それによると、オスのタコはたまたま出会ったメスと乱交する訳ではないそ
うで、気に入ったパートナーには、数日間彼女の家(洞穴)の周りで用心深く
見守りながら、近づくオスに対しては威嚇行動をするそうです。
ちなみに他のオスとの闘争の際には、体の縞模様をはっきりさせて、また体
を大きく見せて男らしさを強調します。
それと同時に、メスに対しても自分の強さをアピールするようです。
ところが、今までの実験室の飼育箱内での観察では、今回観察されたような
繊細な行動は見られず、今回初めて、自然な環境で観察してわかったというこ
とで、画期的な発見だそうです。
世界に約300種タコの種類がいますが、交尾自体は彼らの生活の中心で、繁
殖期には一日数回交尾するようです。
そしてそのために、雄タコはメスを長い手を用いて抱きかかえて、彼女の住
みかに滑り込み交尾します。
一旦精子が男性器から放出されると、メスは恥ずかしそう(?)に家に引き
こもり、数万の卵を排卵します。
そして、メスは自分の手で卵を住みかのの天井などにくっつけ、また体を使
って新鮮な海水を送り、清潔な環境を保つのだそうです。
その後、一ヶ月ほど経つと卵が孵化するのですが、それと共に、母親タコは
死を迎えます。
更にその後まもなく、父親タコも子供達を見守りながら死に至るということ
です。
タコはこのような短い人生を送り、交尾も一生のうちのホンの一時期だけで、
後は家族を大事に守っているのだそうです。
タコは海外では悪魔の手先などと考えられているようですが、体に見合わず、
なかなか立派な生物のようです。
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