攻撃性な気質は、愛する人のため

<攻撃性な気質は、愛する人のため>


最近、家庭などでのDVが問題となっています。
しかし、本来「攻撃性気質」は、愛する者を守ろうとする、重要な心理作用だそうです。

これはVanderbilt大学の研究で明らかになったもので、攻撃性の性質が異性を守ることと強く関係してことが明らかになりました(Psychopharmacology 2008, Jan. 14))。

研究では、雄雌1匹づつのペアのマウスを一つのケージ内で飼育しておき、次に別に飼育しておいたオスマウスをこのケージに入れて、その影響を調べました。
オスのマウスをそのケージに入れたところ、元々いたオスの攻撃性が高まることが明らかになりました。
しっぽを細かく降り動かして相手を威嚇したり、睨んだり、かみついたりして、侵入マウスにケージから出て行くようにしたそうです。

次に、このもともといたオスマウスに、脳内ホルモンのドパミンレセプターの働きを抑制する薬を与えたところ、侵入者に対する攻撃行動が低下する事がわかりました。
その一方で、誰でも近づく事のできるオープンなケージのマウスでは、そのような変化は見られなかったそうです。

以上結果から、ドパミン受容体の活性と攻撃性の間に強い関係があり、また何かを守ろうとする意志の力が、攻撃性に強く関係していることが明らかになったとされています。
また、ドパミンレセプターの抑制自体が問題なのではなく、何かを守ろうとする意志の力を強めるにはドパミンが重要ということだそうです。


DVは弱いものいじめで恥ずべきものです。
このオスマウスのような、愛するもののための攻撃気質とは異なるのでしょう。


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