トイレのハンドドライヤーは病原菌を拡散

<トイレのハンドドライヤーは病原菌を拡散>

 

以前、トイレで手を洗った後に乾かすハンドドライヤーを使うと、病原ウイルスが拡散するので注意が必要というお話をしましたが、今回同様に、病原細菌をも拡散させるという研究が発表されました。

これはイギリス、フランス、イタリアからなる研究グループが、Journal of Hospital Infectionという医学誌に発表したものです。

研究では、それぞれの国にある病院のトイレ(1カ国1病院)で、抗生物質に耐性の黄色ブドウ球菌など、病気を引き起こす菌の広がりについて調べました。

そして、各病院のトイレのジェットドライヤーとペーパータオルで菌の広がりを比較したそうです。

その結果、いずれのトイレについてもジットドライヤーの方が菌が拡散するという結果が得られました。

例えば、イギリスの病院のジェットドライヤーのあるトイレでは、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌が3倍多く見つかり、フランスも同様でジェットドライヤーのあるトイレで広域抗生物質に耐性のある菌が2倍多く見つかったそうです。

 

ところでこの問題については前からも議論されているのですが、ジェットドライヤー自体が悪いというわけではなく、手をしっかり洗って菌のない手をジェットドライヤーで乾かせばこんなことは起こらないはずです。

また、ペーパータオルは水と一緒に菌も吸ってくれるため、細菌が拡散せずに済みます。 ところでフランスでは、患者さんが使用するトイレではハンドドライヤーが禁止されていますが、それは音がうるさいからという理由であって、菌をまき散らすからではないようです。

以上の結果から、論文の著者らは、菌のまき散らしや汚染を最小限にするため、病院ではジェットドライヤーを設置すべきではないとしています。

という事ですので、トイレに行った後は石鹸でよく手を洗った後に、ハンカチでよく乾かすようにしたいと思います。