夜眠れない人は、リウマチの発症にも注意を

<夜眠れない人は、リウマチの発症にも注意を>


夜眠れない睡眠障害の人は、抑うつ状態になりやすい事はよく知られています。
特に病的な症状が無い場合でも、寝不足が続いたりすると気分がイライラし、憂鬱になりますよね。

さて、このような睡眠障害抑うつ状態にさせるだけでなく、活動性のリウマチ性疾患の引き金となり、QOLを悪化させる可能性があるとの事です。


これは、大阪市行岡病院の行岡正雄氏らグループが、日本リウマチ学会のワークショップ「リウマチ性疾患のQOLリハビリテーション・医療体制・病診連携」で発表したものです。

研究では、関節リウマチ患者さん207例(男32例、女175例、平均年齢58.3歳)を対象に、夜間に目が醒める中途覚醒の有無と、抑うつ状態、血沈、CRP(炎症などの指標マーカー)、運動機能などの関係を調べました。

その結果、夜間に目が醒める傾向の強い患者さんでは、抑うつ状態の指標値SDSが39.5±8.3と高くなっており、抑うつ状態が進んでいることが明らかとなりました。

また炎症の指標となる血沈やCRP値も、このような患者さんでは高い事が分かり、関節リウマチが悪化して活動性になっている可能性がわかりました。
更に、夜間目が醒める回数が多くなるにつれて、血沈、SDS、CRP、運動機能の低下が悪化する傾向があったということです。

これらの結果から、夜間の安眠を妨げる多くの原因が複合して関節リウマチの活動性を高め、悪化につながっていると考えられるそうです。
また逆に、このような睡眠障害を抑える事は、関節リウマチの治療効果を高める可能性も考えられるとしています。

多くの関節リウマチの方は、体の痛みが激しく、寝返りや安眠が出来ないと訴えられますが、この報告は睡眠障害がますます関節リウマチを悪くさせる悪循環を引き起こす事を示唆しています。
従って、何とかしてこの悪循環を断ち切るのがよいと思いますので、専門の先生方とよくご相談されては如何でしょうか。