メラトニンは、自閉症の子供の睡眠を改善する

メラトニンは、自閉症の子供の睡眠を改善する>


海外旅行の時差ボケ解消に、メラトニンが良く使われています。

メラトニンは体内で自然に分泌されるホルモンで、トリプトファンといわれるアミノ酸から作られます。
このホルモンは身体の日周期リズムを調節し、睡眠、覚醒、更に生殖サイクルまでをコントロールします。
ですから、適切に使用すれば不眠を解消したりできるわけです。

さて、自閉症脆弱性X 症候群という遺伝性の精神疾患を持つ子供は、一般に不眠などの睡眠障害が生ずる事がよく知られています。
実際、睡眠障害脆弱性X 症候群の子供の77%、自閉症の子供の89%で発生するといわれている程です。

今回、このような不眠に対して、メラトニンを摂取する事により大幅に改善する事がわかりました。

この報告は、サクラメントカルフォルニア・デービス保健大学の精神障害研究所Beth L. Goodlin-Jones博士らが、臨床医学誌Journal of Clinical Sleep Medicine.(April 15, 2009.)に報告したものです。

研究では、不眠症を有する2-15歳の自閉症患者さん、及び脆弱性X 症候群の18名の小児に対して、睡眠に入る前に3mgのメラトニンを、4週間投与しました。
実際には、メラトニン(3mg)あるいはプラセボ偽薬を2週間毎晩投与した後、2週間後にそれぞれの投与法を交代し、更に2週間継続したというものです。

その結果、メラトニン投与中には夜間の睡眠時間やその質が大幅に改善する事が明らかになりました。

特に、夜間平均睡眠時間がメラトニン服用中には21分間も延長し、眠るまでの時間が28分間短くなってぐっすり眠れるようになりました。
更に目覚めも良くなって、覚醒する時間も42分早くなることが明らかになったそうです。

今のところ、これと言った副作用は見られていない事から、今後このような障害を持つ子供の不眠症の改善に有用と考えられています。


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