シイタケの成分に、抗アレルギー活性。

● シイタケの成分に、抗アレルギー活性。

　シイタケは以前から、弱った免疫反応を強めたり、或いは過剰の免疫反応を
正常に戻したりするのに有効である事が知られています。
　実際、シイタケの成分である「レンチナン」と呼ばれる高分子多糖体のβ-1,
3-グルカンは、がん免疫療法などに使用されています。

　しかし、レチナンは、腸管から吸収されにくいために経静脈投与しかなく、
その応用が限られていました。
　ところがこのレンチナンをミセル状の微粒子にしたところ、経口摂取でも抗
アレルギー効果を発揮できることが明らかになったという事です。

　これは、明治鍼灸大学眼科の山田潤氏らが、第５回日本抗加齢医学会総会2005
で報告したものです。

　研究では、春の時期に眼アレルギー症状を持つ被験者60人（男性28人、女性
32人、平均年齢31.3歳）を対象に、その半数の人には微粒子化レンチナンを、
また残り半数の人群には対照として微粒子化していないレンチナンを、それぞ
れ１日１回15mg、連続２カ月間摂取してもらいました。

　その結果、症状の自己申告では、“効果あり・および著効”と答えた割合が、
レンチナン群では63％、対照群では６％で、レンチナンが効果があることがわ
かりました。

　また、ハウスダストやダニ、スギ花粉に対する抗原特異的IgE値の変化の割合
を調べたところ、対象群では服用後にIgE値は増加したのに対し、レンチナン群
では服用から１カ月後にはいずれの抗原に対しても約10％減少しており、２カ
月後にはさらにIgE値が減少していました。

　これらの結果から、微粒子化することで、レンチナンがマクロファージに貪
食されて腸管粘膜を通過できるようになり、抗アレルギー効果を発揮できたと
考えられるのだそうです。

　シイタケは、日本では昔から人気の食べ物ですので、日本発の技術によって、
アレルギー症状の緩和に役立つ製品が開発される事を祈ります。

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