アリでも、負傷した仲間を見捨てずに手当てする

<アリでも、負傷した仲間を見捨てずに手当てする>

あの小さな蟻さんも、人間に劣らず、仲間を大切にするそうです。
世界最大級のアリでどう猛な性格のマタベレアリ(学名:Megaponera analis)は、狩りの際には200〜600で縦列を組み、自分より大きなシロアリを襲撃し捕食します。

ところが、その戦闘の際に負傷したアリを見捨てずに巣まで運び、更に巣で待機している医療チームのアリが負傷した仲間が回復するまで看護を続けることが分かりました。

これは、独ビュルツブルク大学(University of Wuerzburg)バイオセンターの研究チームのエリック・フランク(Erik Frank)氏らが、英学術専門誌「英国王立協会紀要(Proceedings of the Royal Society B)」に報告したものです。
それによりますと、通常の襲撃1回につきアリ3〜5匹が傷を負い、1日に約20匹の負傷アリが発生するのだそうです。
そして、そのような負傷したアリが仲間によって巣に運ばれてくると、医療チームのアリたちが集合し、傷口をなめて治療を行うそうです。
通常負傷したアリの死亡率は80%程度だそうですが、このような治療によって10%程度にまで低下させることが、今回の研究で明らかになりました。
こうした看護行動を人以外の動物で確認できたのは今回初めてで、傷口をなめることで感染症を防いでいる可能性があるそうです。
このアリのコロニーでは出生率が1日に10〜14匹程度と低く、多数のアリがいっぺんに死亡する事になるとそのコロニーは絶滅に瀕するので、傷ついたアリを必死に救うのではないかという事です。

現在の人間の社会では、どうなんでしょうかね?