医師免許を悪用して、しわ取り用の未承認薬を不正輸入

<医師免許を悪用して、しわ取り用の未承認薬を不正輸入>

 しわ取りなどの美容目的で使われる国内未承認の医薬品「ニューロノックス」を不正に輸入・販売したとして、厚生労働省大阪市淀川区の輸入代行会社を医薬品医療機器法違反の疑いで大阪府警刑事告発したというニュースです。
 知人の医師免許証のコピーを無断で使って輸入していた疑いがあり、府警は同社を家宅捜索するなどして捜査しているそうです。

 健康被害を防ぐために、安全性が確認されていない未承認医薬品を国内で販売することが禁じられています。
 しかし、医師が個人輸入して治療に使うことはでき、そのためには医師免許証のコピーなどを厚労省に提出して許可を得る必要があり、他人への譲渡や転売はできないことになっています。
 ところがこの会社は2017年、韓国製のニューロノックスを韓国から輸入し、美容クリニックに販売した疑いが持たれています。
 輸入の際、知人の医師免許証のコピーを無断で使用し、輸入手続きに必要な書類として厚労省に提出していたらしく、同社が医師の個人輸入を装い、販売目的で輸入したとみられています。

 ところで問題のしわ取り薬は、ボツリヌス菌が作り出す毒素たんぱく質を成分とする韓国製の薬剤で、筋肉を緩ませる効果があるため、目尻や眉間などに注射し、しわを取る目的で使われますが、韓国では認められているものの、日本では未承認のものです。
 なお、同様の効果がある米国製の「ボトックスビスタ」は日本でも認可されていますが、同様に毒素を含むため、保存や廃棄などの際は厳重に管理する必要があります。