ついに受精卵を用いたゲノム編集が解禁

<ついに受精卵を用いたゲノム編集が解禁>

 今、もっともエキサイティングなバイオテクノロジーと言えば「ゲノム編集技術」ですが、ついに日本でも、この「ゲノム編集」を人の受精卵に行う基礎研究が認められることになったというニュースです。

 文部科学省厚生労働省有識者会議で研究に関する指針案を示すとの事で、日本でも2019年春には解禁される見通しです。
 今回解禁されるのは生殖補助医療に役立つ基礎研究に限られ、研究で使う受精卵は不妊治療で使われなかった受精卵(余剰胚)だけで、遺伝子改変した受精卵を人や動物の胎内に戻すことは認めないとの事です。

 このようなヒトの受精卵にゲノム編集を行う研究は、生殖補助医療のほかに遺伝性疾患などの難病治療にも役立つと期待されており、中国や米国では、受精卵を使った基礎研究がすでに行われています。
 
 しかし、従来の遺伝子組み換えと比べて格段に容易に遺伝子操作ができるようになり、「神の領域」にさらに一歩近づくことになりますので、その利用には様々な議論が必要です。