うつ病に、京大チーム開発のスマホアプリが有効

うつ病に、京大チーム開発のスマホアプリが有効>

 うつ病には、患者さん自身がものの見方を変え、問題解決には色々な選択肢がある事を認識して、ストレスの低減を目指す「認知行動療法」が有効です。
 しかし、認知行動療法精神科医が面接して行う必要があるために時間や手間がかかり、治療に実施できる医療機関は少ない事が問題となっています。
 そこで、古川壽亮としあき)京都大教授らのグループは、患者さんが一人で認知行動療法と取り組めるスマートフォン版アプリの開発に着手した、という話題です。

 このアプリは、患者さんが感じた不安やその出来事などを記録して自分の思考パターンを知り、またその際「鼻歌を歌う」とか「お風呂に入る」といった気分転換の方法が提示されるので、実際に自分に合うものを実感してもらうのに役立つものだそうです。
 そこで研究チームは、抗うつ薬の効果が不十分だった患者さん約160人を対象に、薬を変更するだけのグループと、薬を変更したうえでアプリも使用するグループに分け、うつ病の重症度の変化を比較しました。
 その結果、8週間のプログラム終了後には、重症度の点数が半分以下に改善した人は、アプリを用いたグループが42%となっており、薬変更のみ(21%)の2倍の有効性を示しました。また、症状が消失した割合も、アプリ使用では31%と、薬変更のみ(18%)に比べて高い有効性を示しました。
 研究チームによると、今後は実際の医療現場で活用してもらえるように、更に改良を加える予定との事です。