エナジー飲料で未成年者が死亡:欧米で規制の動き

エナジー飲料で未成年者が死亡:欧米で規制の動き>

 レッドブル、モンスターなどのエナジードリンクが世界中で大流行のようです。
 ところがこのエナジードリンクは、カフェインや糖分を多く含むため、健康への影響が問題視されていました。
 今回、イギリスの大手スーパーマーケットが、16歳未満へのエナジードリンクの販売を禁止するという話題です。

 アメリカスポーツ医学会(ACSM)が小児のエナジードリンク摂取の危険性を警告する声明を発表(2018年2月)していたのですが、遂に3月、カナダでアルコール入りエナジードリンクを飲んだ未成年者が死亡する事故が発生しました。
 そこで、英国の大手スーパーのアズダ、テスコなどが、16歳以下へのエナジードリンクの販売を禁止する事にした訳です。
 ちなみに、先ほどのACSMの論文によると、学生アスリートの約80%がパフォーマンス向上のためにエナジードリンクを利用しており、世界全体のエナジードリンク市場は2013年に390億ドルで、2021年には610億ドルまで拡大すると予測されています。
 ところが、米国食品医薬品局(FDA)が清涼飲料水では100mlあたり20mgのカフェインを制限量としているにも拘らず、市販のエナジードリンクではこの基準を大きく上回る100mlあたり30〜134mgのカフェインを含む商品もあるとの事です。
 またFDAに2004〜2012年に寄せられた健康被害情報によると、エナジードリンクが要因とされる副作用が166件報告されており、そのうち18件が死亡事故だったそうです。
 更に、毎日15本のエナジードリンクを飲んでいた25歳の男性が自殺したことから、イギリスのメイ首相もエナジードリンクが身体や精神に与える影響について調査することを約束して、規制の機運が高まっていたところでした。

 なお、日本で販売されているものは、海外版とは成分が異なりカフェイン量は少ないとの事ですが、子供たちがエナジードリンクを沢山摂取する事については注意が必要です。