市販の睡眠改善薬はかゆみ止めと同じ?

<市販の睡眠改善薬はかゆみ止めと同じ?>

 寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚めてしまうなどの悩みをもつ人が増えています。でも、病院でもらう睡眠薬を使うのはちょっと避けたいと思う方がほとんどです。
 そこで処方箋がなくても買える、“睡眠改善薬”が大流行になっています。

 このような市販の睡眠改善薬「ドリエル」「グ・スリーP」「ネオデイ」などの多くの有効成分はジフェンヒドラミン塩酸塩です。
 ジフェンヒドラミン塩酸塩は、かゆみ止めに配合されている抗ヒスタミン薬の成分としてよく知られています。また、虫刺されやじんましん、アレルギーによるかゆみを抑える作用や鼻水・くしゃみを抑える効果がありますが、その副作用が「眠くなる」ことでした。 
 ところが、これを逆に利用したのが市販の睡眠改善薬で、このジフェンヒドラミン塩酸塩の副作用を主作用に代えた薬というわけです。

 だからと云って、睡眠改善薬を買っている人は、「それならジフェンヒドラミン塩酸塩を飲めばよい」とは思いませんよね。
 理由は「安心感が違う」からです。
 また、睡眠改善薬の方が値段は高いのですが、「こんなに高いのだから効くはず」という安心感もあります。
 これはまさに、「薬はプラセボ」、即ち自己暗示ほど効くものはないのです。
 睡眠にとってそれだけ気持ちは重要であり、それだけにデリケートでむずかしい問題であるとも言えます。
 ですから、市販の睡眠改善薬は「お守り」として持っているぐらいがちょうどいいのでは、と思います。