貴方はどこにお住まい? 寿命の延びに地域格差

<貴方はどこにお住まい? 寿命の延びに地域格差

 今日、トランプさんの日本訪問2日目は、素晴らしい秋晴れです。
 北朝鮮の問題を含め、安倍さんとじっくり話し合ってください。

 さて、日本人の平均寿命は着実に伸びているのですが、平均寿命の延び方には都道府県間で差がある事が分かりました。
 これは、東大国際保健政策学分野の渋谷健司らのグループが、著名な英国医学誌ランセットに報告したものです。

・論文タイトル: Population health and regional variations of disease burden in Japan, 1990–2015: a systematic subnational analysis for the Global Burden of Disease Study 2015
・著者: Shuhei Nomura他
・医学誌名: The lancet, Volume 390, No. 10101, p1521–1538, 23 September 2017

 研究では、日本の人口動態統計を元に最新の統計手法を用いて平均寿命を算出し、様々な健康についての指標を都道府県ごとに算出して比べました。
 その結果、日本人全体の平均寿命は2015年で83.2歳となっており、1990年の79.0歳から4.2年延びていました。
 次に都道府県ごとに調べたところ、佐賀と滋賀で4.8年と最も延びており、次いで和歌山、福岡、大分が4.7年で続いていることが分かりました。
 ところがその一方で、沖縄は3.2年、山形は3.3年にとどまっており、最も平均寿命が長い県と短い県の差も、1990年の2.5年から2015年には3.1年に拡大している事が分かりました。
 即ち、この25年間で最大1.6年もの差が出ていることになります。
 今のところその原因ははっきりしていないのですが、今後はこの寿命の延びの格差が生じた原因を明らかにするという事です。
 
 以前、“人間はいくら長く生きても125歳前後が限界”とする研究を紹介いたしましたが、この限界に近いために平均寿命の伸び率が低くなっているのであればよいのですが、単に住んでいるところで寿命の差が出るのはいただけませんね。