線虫を利用した、がん検査

<線虫を利用した、がん検査>

 がん検診は今や、健康診断での必須項目になっています。
 レントゲンや血液検査が主流ですが、先日来、イヌを用いた癌検査の話題が多く出ています。
 ところが体長約1ミリの線虫も、がん検出に使えそうとの事です。

 これは、九州大発のベンチャー企業「HIROTSUバイオサイエンス」(東京都港区)と日立製作所が、線虫ががん患者の尿に誘引される性質を利用したがん検査の共同研究を行うと発表したもので、日立が自動解析装置を開発し、2019年末から20年初めに保険が適用されない自由診療での実用化を目指すそうです。

 それによりますと、線虫を利用すると、胃や大腸、膵臓など消化器がんではがんを判定できる感度が90%だそうで、早期のがんも簡便で高精度に安く検査できるとされています。
 容器に尿1滴を垂らし、約30分で線虫50〜100匹の過半数が尿に寄っていけばがんと判定出来るとの事で、線虫は犬以上の嗅覚があり、がん患者さんの尿に特有な物質のにおいが餌に似ているため、誘引されるのだそうです。