睡眠不足の人は、心臓病での死亡リスクが高くなる

<睡眠不足の人は、心臓病での死亡リスクが高くなる>

 あなたはよく眠れていますか? そして、糖尿病、肥満、高血圧や高コレステロールなどの数値は大丈夫ですか?
 今回、これらの危険因子を持つ人では、十分な睡眠を確保できないと、心臓病や脳卒中による死亡率が倍増する可能性がある事が報告されました。

 米ペンシルベニア州立大学医学部のJulio Fernandez-Mendoza博士らが、米国心臓協会ジャーナル(Journal of the American Heart Association)に報告したものです。
・論文タイトル: Impact of the Metabolic Syndrome on Mortality is Modified by Objective Short Sleep Duration
・著者: Julio Fernandez‐Mendoza他
・専門誌名: Journal of the American Heart Association. 2017;6:e005479, originally published May 17, 2017  https://doi.org/10.1161/JAHA.117.005479

 これは、米ペンシルベニア州で実施された成人1,344人を対象とした睡眠調査で、被験者の平均年齢は49歳で、全体の42%が男性だったそうです。
 研究では、これらの被験者らに一連の健康診断検査を受けてもらった後に、ベッドルームで睡眠を摂ってもらいました。
 なお、この検査によると、被験者の39%強が心臓病の危険因子を少なくとも3つ持つメタボリック症候群でした。
 ちなみに、これらの心臓病危険因子としては、BMI値が30以上、コレステロール、血圧、空腹時血糖、中性脂肪などの値が高いなどです。
 そしてその後、平均16年に及ぶ追跡調査を行ったところ、この期間に被験者の約22%が死亡していたそうです。
 これらの被験者の健康診断と睡眠の様子を詳しく調べたところ、睡眠時間が6時間未満だったメタボリック症候群の被験者グループは、保有する心臓病危険因子が2つ以下のグループに比べて、心臓病または脳卒中による死亡率が2.1倍高くなっていることが分かりました。
 また、睡眠が短いメタボリック症候群の人では、症候群を持たない人に比べて全ての死因による死亡率が1.99倍も高かったそうです。
 更に、睡眠を6時間以上取った高リスク被験者グループの死亡率は、健康な被験者グループの同1.49倍になっていました。

 以上の結果から、成人は1晩に7〜8時間以上の睡眠を取ることが必要で、特に危険因子を複数持ち、且つ十分な睡眠を取れない人は、心臓疾患や脳卒中の発症に十分注意するようにと警告されています。

 私もその一員のようですので、注意することにします。