身長に関係する遺伝子

<身長に関係する遺伝子>

 人の身長にかかわると考えられている遺伝子は約700近くあるそうですが、今回そのうちで特に大きな影響を与える遺伝子変異83個がわかりました。
 これは世界の研究者300人以上が参加して、71万1428人分の遺伝子データを詳細に調べた結果わかったもので、権威ある科学誌Natureに報告されています。

・論文タイトル: Rare and low-frequency coding variants alter human adult height
・著者: Eirini Marouli 他.
科学誌名: Nature: 542, 186–190 (2017)

 これまでの研究で、栄養や汚染といった環境要因以外に、身長にかかわると考えられている変異はこれまでに約700近く確認されていましたが、いずれもその影響は限定的で実際の身長に現れる差異は1ミリ以下だったそうです。
 ところが、今回明らかになった遺伝子83個のうちの24個は、身長に与える影響が1センチ分以上で、中には最大2センチ強の差が生じていました。
 特に『STC2』遺伝子の変異2個おこると大きな影響があり、そのような人では1〜2センチ高身長となるそうです。
 ちなみにそのような変異は、約1000人に1人の割合とかなり高頻度に起こるようで、ボストン子ども病院によると、これらの遺伝子は骨格や軟骨の発育における遺伝子や成長ホルモンの分泌・活性にも関わっているものだそうです。