記憶力を高めるには、睡眠が必須

<記憶力を高めるには、睡眠が必須。>

 入試シーズン真っ只中です。
受験生の方は、試験前日は徹夜しても、何とか合格にこぎつけたいと考えていると思います。

 ところが、このような徹夜の勉強では成績が思ったほどは伸びず、前の日までに勉強を済ませ、前日はよく睡眠を摂った方が成績はよい事が、最近の研究で明らかになりました。
 これは、米国ハーバード大学医学部睡眠認知センターのJeffrey M. Ellenbogen博士らが、生物学誌Current Biologys誌に報告したものです。

 研究では、睡眠障害などの異常がないボランティアの人60人を対象にし、このうち48人を12人ずつの4群に分けて、試験前に睡眠を取る群、睡眠を全く取らない群、更に記憶妨害を受ける群、及びそのような妨害を受けない群としました。
 そして2語1組の単語を20組暗記してもらい、12時間後にヒントを元に思い出すというテストを受けてもらいました。
 なお、記憶妨害群はテスト直前に、思い出すのを妨げるように別の単語を20組学習させられたそうです。
 また残りの12人についても同様に4群に分け、同様に24時間後の試験を実施しました。
 その結果、妨害を受けない群では、睡眠を取った群の方が記憶力の平均がやや高くなっている事が分かりました。
 更に、妨害を受けた群でも、睡眠を取った群の方が明らかに記憶力が高い事がわかりました。

 これらの結果から、睡眠は不活性な状態であるというのは古い考えであり、睡眠は記憶を定着させるために積極的に働いていると考えられるとされています。
 そして、記憶力を最大限に発揮させるためには、定期的にキチンとした睡眠を取ることが必要であると述べられています。
 また、睡眠が不十分だと抑うつ状態となり、精神的にも低下するので十分な睡眠を取る事が重要であるとされています。

 常識的な結論ですが、やはり合格を勝ち取るには、前もってしっかり勉強し、試験前日には余裕を持って暖かいお風呂に入って睡眠を良く摂っておくのが最も良いようです。
 受験生の皆さん、日ごろの実力を発揮できれば大丈夫ですよ!!