ゆっくりした呼吸で血圧が劇的に下がる

<ゆっくりした呼吸で血圧が劇的に下がる>


今年もいよいよ終わりになってきましたが、皆様如何お過ごしでしょうか?
2014年最後のお知らせです。

今日は私が一番気になっている、血圧に関するお話です。

 血圧は我々中高齢者にとって非常に気になる数値ですが、お医者さんが言われるような食事や運動に気をつけても、なかなか思ったようには下がりません。

 ところが今回、僅か2分間程度、一回10秒くらいをかけてゆっくりとした呼吸をするだけで、血圧が劇的に下がるという結果が報告されましたので、ご報告します。

 これはイタリアPavia大学のChacko N. Joseph氏らが、医学誌の高血圧誌(Hypertension, タイトル:Slow Breathing Improves Arterial Baroreflex Sensitivity and Decreases Blood Pressure in Essential Hypertension)に報告したものです。

 今までもこの著者たちは、1分間に6回というゆっくりした呼吸を行うと、圧反射感受性が高まり、交感神経がと動脈反射が抑制される事から、ゆっくりした呼吸が血圧低下をもたらす可能性を考えていました。

 そこで、実際に血圧と圧反射感受性に対するゆっくりした呼吸の効果を調べました。

 試験では、本態性高血圧患者さん20人(平均年齢56.4歳)と血圧正常者26人(同52.3歳)を対象としたそうです。
 座った状態で、通常の呼吸を5分間、次いで1分に6回というゆっくりした呼吸を2分間、更にかなり頻度の高い呼吸(15回/分)2分間を行い、血圧、心電図、呼気二酸化炭素濃度などの変化を調べました。

 その結果、通常の状態では、高血圧患者さんは安静時の呼吸数が多く、呼気二酸化炭素濃度は低く、換気亢進状態だったそうですが、ゆっくりした呼吸により、収縮期圧が約9mmHg、拡張期圧が5mmHgも下がることがわかりました。

 また、実際に慢性心不全患者さんに1カ月のこのような呼吸訓練を行ってもらったところ、血圧低下が長期間持続される事も分かったそうです。

 これらの結果から、日常からゆっくりした呼吸を心がけると、血圧が低下する事が期待されます。

 高血圧が気になる中高年の皆様、是非お試しくださいませ。
そして来年もよい一年となりますよう。