IQの高い人は集中力も高い
<IQの高い人は集中力も高い>
IQの高い人には、思考に集中するあまりに他の事に無関心、というイメージが付きまといます。
例えば、DNAの構造を明らかにしてノーベル賞を受賞したワトソン博士は、いつも靴下はペア違いのものを履いていたそうです。
最近の研究によると、このような頭の良い人は集中力が高く、関心のないものを無視する傾向が強いことが分かりました。
これは、米国ロチェスター大学の研究者らが、Current Biology誌に発表した内容です。
論文タイトル: A Strong Interactive Link between Sensory Discriminations and Intelligence
科学誌名: Current Biology, Volume 23, Issue 11, 1013-1017, 23 May 2013
著者: Michael D. Melnick, Bryan R. Harrison, Sohee Park, Loisa Bennetto, Duje Tadin
研究では、知能指数IQのスコアと集中力との関係を調べるため、被験者にIQテストを受けてもらい、その上でテレビ画像を用いた視覚テストを行いました。
例えば、背景に太い線状のパターン映像のある画面を見せ、そのパターン映像が右左へ移動するようにしました。
そして、被験者にこのパターンの移動方向を答えてもらい、その回答にかかる時間を測定しました。
また、線状パターンの画像のサイズを変化させて、画面いっぱいに広がった状態や、ほんの小さな点となるような状態での変化を見ました。
その結果、パターンの画像が小さい場合では、IQのスコアと回答までの時間が比例関係にあることが分かりました。
即ち、IQが高い人ほど、動きを素早く把握することができる訳です。
ところが、画像サイズが大きくなるとこの傾向は正反対になり、IQのスコアが高いほど、パターンの移動方向を認識する時間が増えることが分かりました。
これらの結果は、被験者の集中力が大きく関係していることを示しています。
即ち、IQが高い人ほど気を散らすものを無視するために、大きなサイズの画像を背景に過ぎないと判断することになり、その認識に時間がかかるようになるのだそうです。
という訳ですので、貴方の知り合いの人が気が利かないのは、集中力を発揮している最中でなのかもしれませんよ。