ホメオパシー療法は、プラセボ効果?

ホメオパシー療法は、プラセボ効果?>


 ホメオパシー(同種療法)は、英国、フランス、ドイツなどで行われている伝統医療の一つで、専門医は世界で10万人、5億人が治療を受けているといわれる程の人気の高い療法です。

 疾患の原因となる物質と同種の、自然界に存在する植物や鉱物、動物由来の物質(レメディー)を希釈して投与し、自然治癒力を活性化するというのが、その治療法の基本的な考えです。 
 このホメオパシーに用いられるレメディーは、ヒ素、硝酸銀、トリカブト、ミツバチ、イカ墨、牛肉の腐敗液などが、経口薬として用いられています。

 ところが、このホメオパシー治療の有効性は、プラセボ(偽薬)と同じ程度だとする研究報告がありましたので、お知らせします。


 これは、権威ある英国医学誌ランセット(Lancet)に掲載されたもので、英ブリストル大学のPeter Juni博士らが報告したものです。

 研究では、呼吸器感染症、手術治療、麻酔治療などの分野で、ホメオパシー治療、プラセボ対照試験(110件)、及び従来の治療法を用いた臨床試験(110件)について、比較検討しました。

 その結果、ホメオパシーの効果はプラセボ効果程度しかなく、この結果から、“効果は、患者さんの医師に対する信頼感、治癒するという信念などによってもたらされるものである”と、研究者らは結論しています。

 その一方でこの結論に反論する専門家も多く、今回の報告は科学的なものではなく、ホメオパシー治療の有効性を理解していないものだ、とする異議が唱えられているそうです。


 ホメオパシーを含め、多くの伝統医療に科学的な証拠に基づく医療(EBM)の考えを取り入れ、その有効性を明らかにして頂きたいと願っています。
 そして、現代医療の足りない点を補う補完医療としての伝統医学の再興に期待しています。