肥満は、お天気のせい?

<肥満は、お天気のせい?>


太陽の浴びることの少ない北欧の人は、(太陽に近づくためにか)身長が高いのでは、と思っていましたが、肥満にも関係しているそうです。

今回、日照と体重の増加に関係があることが、学術誌「Bone」(2008, Sep. issue)に発表されました。
これは、英国アバディーン大学のヘレン・マクドナルド博士の研究チームが、1998年から2000年の間にスコットランド北東部に住む3,100人の女性を対象に行った調査結果によるものです。

研究では、この研究に参加した女性が前年にどのくらいの期間太陽光線にあたったか、或いは、卵や魚などの食品からどの程度ビタミンDを摂取したかを調べました。

その結果、肥満の人々では、平均的な体重の人々よりも、体内のビタミンDのレベルが10%も低くなっていることが明らかになりました。

ご存知のように、ビタミンDは、皮膚が太陽光線に晒されて出来ます。
血液中のビタミンDの値が低いと、満腹感を脳に伝える役目を果たすホルモン「レプチン」の機能が低下するのだそうです。
したがって、太陽を浴びる程度が低いと、体内のビタミンD量が低下し、肥満になりやすくなるという訳です。

また、体脂肪が多いと、ビタミンDが脂肪組織に吸収されて、血液中のビタミンDレベルが下がるとことが分かっています。

以上の結果から、ビタミンDが欠乏すると、肥満になりやすくなると考えられるそうです。

ところで、日光を浴びることにより、ビタミンDの生産以外にも、メラトニンセロトニンの分泌が調節されることが分かっています。
これらのホルモンの調節も体重のコントロールに重要であることがわかっていますので、メラトニンセロトニンの影響も考えられます。

いずれにせよ、日照時間の少ない英国や北欧地域に肥満の人が多い事の説明になりますが、日照の少ない地域に住んでおられる人は、できるだけ太陽に当たることを心がけなさってください。


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