膵臓ガンに有効なハーブ

膵臓ガンに有効なハーブ>


すい臓がんは難治性の癌で、死亡率も非常に高い癌です。
早期発見が非常に困難な上に進行が早く、きわめて予後が悪いことから「癌の王様」と言われているほどです。

その様に、医学関係者の間でも厄介ながんとされているすい臓がんですが、今回、炎症やすい臓がんの発生を抑えるハーブが有効であるとする発表がありましたので、お知らせします。

これは、ジェファーソンのキメルがんセンターのHwyda Arafat博士らが、デンバーで開催された2009年第100回米国ガン学会総会で報告したものです。

これはチモキノン(Thymoquinone)と呼ばれる、中東地域で栽培されているニゲラ(Nigella sativa、和名クロタネソウ、キンポウゲ科クロタネソウ属)から得られるオイルエキス成分です。

このニゲラの種及び油脂は、古来から中東およびアジア地域では伝統薬として様々な疾患の治療に使用されており、特に免疫機能や炎症による疾患によく使われていました。

また、炎症反応は様々な固形腫瘍の発生に関係していることが分かっており、この研究者らは、このエキスがすい臓がんの発生を起こす炎症にも有効ではないかと考えました。

そこで研究者らは、先ずチモキノンの抗炎症作用を確認するため、既に悪性の炎症性癌を抑制することが知られているトリコスタチンAとの効果を比較しました。

炎症を誘発するサイトカインのTNF-アルファで処理した膵臓の腺管癌細胞を用いて調べたところ、ほぼ完全にTNFアルファ、インターロイキン1ベータ、インターロイキン8、Cox-2 及びMCP-1などの炎症成分の発現を抑制することがわかりました。
この作用はトリコスタチンAよりも効果が強かったそうです。

また、NFカッパBと呼ばれる炎症性の癌を起こす転写因子をも阻害することも分かりました。
ちなみに、NFカッパBは、すい臓ガンの発生を起こす重要な因子で、すい臓ガンに対して化学療法剤が効かない理由の一つと考えられているものです。

次に、実際にすい臓がんを有している実験動物にチモキノンを投与しその効果を調べました。
すると、癌組織が67%縮小し、腫瘍の炎症性サイトカイン前駆体のレベルも大幅に低下する事がわかったということです。


今回の発見は、すい臓がんの治療のためのごく初歩的な成果に過ぎませんが、現代の医学でも難治性のがんとして手の施しようのなかったすい臓がんだけに、強い期待が寄せられています。


□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

今日の話題は如何でしたか?

・既刊号は、ホームページ「http://d.hatena.ne.jp/Drhase/」をご覧下さい。

・無料メールマガジン(マグマグ)をお送りしています。
 「http://www.mag2.com/m/0000115735.html」からご登録下さい。