デトッス治療には、科学的根拠がない

<デトッス治療には、科学的根拠がない>


 最近、身体の毒を排出するとして、"デトックス治療"が大流行のようです。
 特にアンチエージングに有効とされています。
 ところが、実際はその効果についての科学的な証拠は全くない、というニュースです。

 慈善団体の「科学的センス(Sense About Science)」が、デトックスに有効とされている飲料や洗顔剤の製品15種を調べたところ、ほとんど有効性は認められなかったとしています。

 この調査は、 Voice of Young Science(若手研究者の声)ネットワークの研究者により行われたもので、現在、"このようなニセ科学を追放すべきである"との大キャンペーンを行っています。

 この団体が、ビタミン、シャンプー、デトックスパッチ、ボディブラシなどのデトックスに有効とする製品について調べたところ、メーカーが主張しているようなデトックス作用は全く認められなかったそうです。

 また、これらのメーカーは"デトックス"という言葉の定義もそれぞれ勝手に解釈していたそうです。
 ちなみに、オックスフォード英語辞典によると、「デトックスとは毒物や毒性作用を排除するもの」と定義されています。

 ところがメーカーは、デトックスを単にクリーニング剤やブラッシュ剤に使用していました。
 実際、皮膚から毒素を取り除くと宣伝されているガルニエ化粧品の製品では、単なるオイル入りの洗剤に過ぎなかったということです。

 また、ブーツ社という会社では、毒素を身体から排除するために5日間のデトックスプランを提供しているそうですが、その中身も全く科学的な根拠のないものであったとされています。

 なお、ブーツ社の広報によると、5日間のデトックスプランは、水分を多く摂り、同時に「毒素と戦い、フリーラジカルの危険性を取り除く」事によりデトックス効果を発揮するというものだそうです。

 また、デトックスサプリメントを製造しているガニエル社は、全製品に厳格な試験を行っており、デトックス効果があることは確認できていると主張しているそうですが・・・。

 この研究を行った生化学者のEvelyn Harvey氏によると、「デトックス・サプ
メントは気分的な効果しかなく、その製品自体には全く効果がない。デトックス食を摂る療法は、単にお金の無駄遣いだけでなく、危険である」と強調しています。

 同様に、Alice Tuff氏は、「このような虚偽の神話が、21世紀に存在すること自体、信じられない。研究者はその事実を、声を大にして叫ぶことが大切である」と主張しています。

 ちなみに、広告標準化委員会(The Advertising Standards Authority)は、今後それぞれのケースについて内容を調べ、効果がない場合は誇大広告と見なす予定だそうです。

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