厄介者のエチゼンクラゲが、ヒザ関節炎に効く

<厄介者のエチゼンクラゲが、ヒザ関節炎に効く>


いよいよ楽しい海のシーズンが近づいてきました。

確かに海水浴は楽しいのですが、クラゲに刺されて嫌な思い出のある方も多いと思います。
そこで、嫌なクラゲもヒトの健康の役に立つと云う話題をお送りします。


日本海沿岸で大量発生して、魚の捕獲用網を破ったりするやっかいもののエチゼンクラゲが、変形性ヒザ関節炎に有効であることが分かりました。

これは、東海大理化学研究所が行ったウサギを使った実験で明らかになったもので、2009年3月の日本再生医療学会で報告されたものです。

この越前クラゲから抽出したたんぱく質は「ムチン」と呼ばれるもので、同研究所の丑田(うしだ)氏らが、クラゲからの抽出に成功したものです。

研究グループは、ひざ関節の軟骨がすり減った変形性関節症と同じ症状のウサギを作り、関節の中にムチンを混ぜたヒアルロン酸を注射しました。

すると、10週後には、すり減った軟骨がほぼ正常に回復することが分かりました。
ヒアルロン酸だけを注射したウサギに比べ、回復率は1・6〜2・6倍程高かったということです。
即ち、変形性関節症の治療に使われるヒアルロン酸と共に、クラゲ由来のムチンたんぱく質を投与すると、治療効果が約2倍に上がることが明らかになったとされています。

ご存知のように、変形性ヒザ関節炎はお年寄りの大敵で、寝たきり老人を作り出す大きな原因です。

その治療に、厄介者の越前クラゲが役に立つならば、クラゲも馬鹿にしたものではなくなりますね。
更なる研究を祈ります。


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