ビスフェノールAは、EDの原因に

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ビスフェノールABPA)は、プラスチックの製造やエポキシ樹脂の原料として利用されています。
2004年の統計では、世界中で約320万トン/年、国内では約59万トン/年のビスフェノールAが生産されているそうです。

最近はあまりマスコミに上らなくなっていますが、BPAは人体の内分泌かく乱物質であり、女性の生殖系や子供の健康に悪影響を与えることが分かっています。従って、今も大きな環境問題の一つには変わりありません。

今回更に、職場などでビスフェノールABPA)を高濃度に浴びている男性は、性機能が低下しているという話題です。
なおこの研究は、男性の生殖系に及ぼすBPAの影響を調べた、最初の研究報告だそうです。

カルフォルニア州のKaiser Permanenteの De-Kun Li博士らが、人類再生学Human Reproduction誌に報告したものです。
(De-Kun Li et al. 論文タイトル:Occupational exposure to bisphenol-A
(BPA) and the risk of self-reported male sexual dysfunction. Human Reproduction, DOI: 10.1093/humrep/dep381 )

研究では、中国上海近辺の、BPAを用いたプラスチック製品などの製造に関する3つの工場で働く、包装関係、工場技術員、研究員など230名について調べました。

そして、年齢、教育暦、性別、労働暦などを考慮しながら、BPAの製造とは関係のない工場労働者と比較したところ、BPAに暴露する工場労働者では、平均米国男性の50倍ものBPAを浴びていることが分かりました。

次いで、これらの労働者に対して、勃起能、射精能、性欲及び性生活の満足度などの性機能全般について、聞き取り調査しました。

その結果、BPAを浴びる職場の人は、勃起不全生涯のリスクが4倍、射精障害が7倍に増加していることが明らかになりました。
また、BPAに対する暴露の量が増えると、これらの性機能障害のリスクが高くなっていました。
更に、BPAの暴露の多い工場労働者では、仕事に就いてからの1年間以内に、そのような性機能の低下が始まっていたそうです。

いままでも動物実験などで、ビスフェノールAが生殖機能に影響を与えることが分かっていましたが、今回の研究で、実際に人間の男性の生殖系にも強い影響を与えることが確認されたことになります。


日本の厚生労働省も、ビスフェノールAがヒトの健康に与える影響について、厳重な注意を行っています。
皆様の環境のおいても、十分にご注意下さい。


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