カフェインは、がんを抑える

<カフェインは、がんを抑える>

コーヒーなどに含まれるカフェインが、女性ホルモンであるエストロゲンなどの性ホルモンの分泌に影響を及ぼすことが、最近の研究で明らかになりました。
今の所、これが乳がんや子宮がんを抑えるのか、逆に発癌を起こさせるのかは明らかではないとされていますが、大勢としてはがんの抑制にカフェインが有効であると考えられています。

今までも、カフェイン摂取が、女性特有の乳がんや子宮がんとの関係があるのではないかとする意見がありましたが、その因果関係はよく分かっていませんでした。

そこで今回、長期間にわたる米国女性看護師を対象とした大規模調査(Nurses'
Health Study (NHS))の結果が発表されましたので、お知らせします。

ハーバード大学医学部Joanne Kotsopoulos博士らがその結果をまとめ、がん専門誌Cancer(June 15, 2009.)に報告したものです。

研究では、NHSに参加した1,200名の女性について、食事やライフスタイルと共に、血液中のエストロゲンなどの性ホルモンについて調べました。

その結果、カフェイン摂取量が多い人では、更年期後の乳がんや子宮がんのリスクが低くなっていることが分かりました。

しかし、同時に、更年期以前の女性に関しては子宮がんのリスクが高くなることも報告されています。

そして、コーヒーを沢山飲むカフェイン摂取量の多い更年期以後の女性では、エストロゲンの一つであるエストラジオールの血液中のレベルが低くなっていることがわかりました。
また、黄体ホルモンであるプロゲステロンの分泌も高まっていたそうです。

更に、カフェイン摂取量の多い女性では、性ホルモン結合蛋白のグロブリン(SHBG)の量が多くなっていました。
これに関して、SHGB値が高いとエストラジオールやテストステロンの活性を低下させるので、更年期女性の乳がんのリスクが低下するのではないかと、考えられています。

今の所は、カフェインが発がんにどのような影響を与えるかは確定的ではないのですが、がんに重要な役割をもつエストロゲンなどの性ホルモンに影響して、発がんのリスクを左右すると考えられます。

コーヒーや緑茶好きの人には大変気になることですので、明確な因果関係が明らかになることを祈ります。


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