勃起不全: バイアグラに替わる局所クリームが有望

<勃起不全: バイアグラに替わる局所クリームが有望>


ご存知のとおり、バイアグラは勃起不全症(ED)の治療で大成功を収めている薬です。
その後、シアリスやレビトラなども発売され、EDで悩む男性の頼もしい味方となっています。
これらの薬はいずれも経口服用することにより、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)を阻害して、血液中の一酸化窒素(NO)を増やします。
一酸化窒素は血管を広げる作用がありますので、ペニスへの血液の流入が増えて勃起不全を改善するわけです。

ところがこれらの薬は、頭痛や視聴覚障害などの副作用があり、また心臓疾患のある人は服用には充分な注意が必要とされています。

そこで今回は、より直接的に一酸化窒素自体をペニスに供給する、局所クリームが開発されたと言うニュースです。

これは、米国アルバート・アインシュタイン医科大学生理学・生物物理学・内科教授のJoel M. Friedman博士らが、性医学専門誌 Journal of Sexual Medicine(2009, September 18 Online版)に報告したものです。

この新しいクリームは、一酸化窒素をナノ粒子中に含有したもので、長期間持続的に成分を少しずつ放出できるものだそうです。

ちなみに、最近このナノ粒子を用いた薬剤がさまざま開発されており、長期間有効性を持続させたり、また有効成分を目的の身体部位へ到達させるのに使用されています。
よく効くものとしては、ナノ化粧品が有名ですね。

さて、今回の研究では、加齢によるEDを発生したラット18匹を3群に分け、1群に一酸化窒素を含むナノ粒子、他の1群にナノ粒子と勃起不全治療薬のシアロルフィン(PDE5阻害薬と異なる作用機序を持ちます)、また残り1群にナノ粒子とPDE5阻害薬タダラフィルシアリス)を投与しました。

その結果、ナノ粒子投与群では7匹中5匹、他の2群では11匹すべてに勃起機能が大幅に改善する事が明らかになりました。

成績そのものは市販の勃起不全薬よりもやや低かったのですが、ナノ粒子の場合は薬剤が効く時間は非常に短くてすみ、わずか2,3分で有効性を示す事がわかりました。

ちなみに、バイアグラなどの経口勃起不全治療薬では、効いてくるのに30分から1時間かかります。

今後人を対象とした研究が必要ですが、より早く効果を出したい場合や、従来の勃起不全薬が利用できない人の代替治療薬となる可能性があり、注目されています。


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