妊娠中に魚類を多く食べ、かつ母乳で育てると、子供の発育がよくなる

<妊娠中に魚類を多く食べ、かつ母乳で育てると、子供の発育がよくなる。>

 デンマークで行われた母親と乳幼児に関する研究によると、母親が妊娠中に魚を多く食べ、また母乳で育てると、子供の身体及び知能の発育が良くなることが分かりました。
 この妊娠時期の魚の摂取の効果と、母乳の効果は、それぞれ別々に有効だったそうです。
 以前にも、同様の報告が米国や英国で行われていましたが、今回の研究で改めて確認されたことになります。

 研究は、デンマークStatens Serum研究所のEmily Oken助教授らが、米国ハーバード大学と共同でおこなったもので、American Journal of Clinical Nutrition誌(Vol. 88, No. 3, 789-796, September 2008)に報告されたものです。

 研究は、デンマーク・バース・コンホート研究に参加した、新生児を持つ母親25,446人を対象にし、妊娠後の子供の発育や妊娠期中食事内容などについて、聞き取り調査しました。
 また、子供が6ヶ月になった時点での、はいはいや立つ・座るなどの動作、音声の聞き分やまねることが出来るかなどを調べました。
 更に、18ヶ月目には、階段の登り降り、靴下を自分で脱げるか、カップから水を直接飲めるか、絵を描いたり出来るか、言葉などを発するか、自分で歩けるかなどを調べたそうです。

 その結果、妊娠時期に魚を多く摂った母親の子供は、より動きが活発で、知能の発育も良いことが明らかになりました。
 例えば、妊娠中に魚をほとんど食べなかった母親の子供では、18ヶ月目には5.7%の子供が発育度が悪いとの判定結果だったのに対し、魚を多く摂った母親の子供では3.7%でした。
 また、魚をあまり摂らなかった人に比べて、多く摂った母親(平均1日あたり60グラム)では、6ヶ月目での発育成績が高かった子供は25%、18ヶ月目では約30%が高いスコアを得たそうです。

 同様に、長期間の母乳で育てた場合でも乳幼児の発育がよく、特に18ヶ月目にその差が大きくなっていることが明らかになりました。

 その理由として、魚や母乳に含まれているオメガ-3脂肪酸が、そのような効果をもたらしたと考えられるそうです。

 今回の研究によると、妊娠時期に週3回以上魚を食べると、子供の発育が良くなるとされていますので、妊娠中の方は是非魚を多く摂るようになさってくださいね。


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