緑茶:脳梗塞を予防する

<緑茶:脳梗塞を予防する>


 脳梗塞とは脳にある動脈が閉塞し、血液が運ばれなくなってその支配下にある脳の組織が壊死してしまう疾患です。
 侵される部位により症状は異なるのですが、意識障害から手足の麻痺、あるいは言語能力が低下するなどさまざまな障害が出ます。
 特にこれからの超高齢化社会の到来に伴って、最も注意すべき疾病の一つです。

 さて緑茶を1日5杯以上飲むと、この脳梗塞による死亡リスクが、男性で42%、女性では62%も低下するとの報告がありました。
 これは、東北大学医学部公衆衛生学教室の栗山進一准教授らがまとめたものです。

 研究では、1994年から宮城県内に住む40-79歳の男女約4万500人を追跡調査し、1日に緑茶を飲む量で4グループに分けて、その健康度を調べました。

 その結果、脳や心臓など循環器系の病気の死亡リスクは、緑茶を飲む量が多いほど低下していることが明らかになりました。
 死亡のリスクは、1日に1杯未満の人に比べて、5杯以上飲む人は男性では22%、女性は31%低下していました。
 また、脳血管障害を見ると、男性は35%、女性は42%低下しています。
 なかでも特に脳梗塞はリスクが低かったということです。

 さて、緑茶ががんの発生を抑えるとの報告が以前からありますが、今回の研究ではがんによる死亡のリスクとは関連はみられませんでした。
 また、紅茶やウーロン茶でも、飲む量とこれらの病気の死亡リスクに関連はなかったようです。

 しかし研究者によると、今回の緑茶の効果は予想以上であり、緑茶に含まれるカテキンなどの効果によると考えられるそうです。

 緑茶成分にはさまざまな可能性があります。
 日本が誇る緑茶についての効果を、これからも益々明らかになることを願っています。


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