子供の中耳炎は、間接喫煙と関係がある。

前回4月1日の記事の、<ビタミンEは、アルツハイマー患者さんの生存期間を長くする>
のなかで、「脂溶性ビタミンは、取りすぎると体の脂肪分に蓄積し、悪影響を及ぼす可能性があります。実際、ビタミンEの摂取量が多いと冠状動脈性心臓病のリスクを下げることが報告されています」と書きましたが、「冠状動脈性心臓病のリスクを下げる」ではなく、「冠状動脈性心臓病のリスクを上げる」が正解です。

明らかに私のミスでした。
エプリルフールの記事と言って、笑って済ませる問題ではありませんので、お詫びして訂正いたします。

間違いを訂正していただいた、K. K. S様には感謝申し上げます。
今後とも間違いがございましたら、ご指摘をお願いいたします。


drhase 拝


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<子供の中耳炎は、間接喫煙と関係がある。>


以前米国に家族で住んでいたことがあったのですが、その際子供がしょっちゅう熱を出し、医者に連れて行きました。
その際、はじめて"イアーインフェクション"と言う言葉を知ったのですが、早い話がウイルスや細菌感染によって熱が出、扁桃腺などがはれるいわゆる中耳炎のことのようでした。

そこで今回は、このような子供の中耳炎が、タバコの煙により起こりやすくなっているというニュースです。

これは、パース Telethon小児健康研究所のDeborah Lehmann博士らが、オーストラリア医学誌Medical Journal of Australia 2008, May issue)に報告したものです。

研究では、オーストラリア原住民アボリジニの子供100名と、非アボリジニの子供180名の健康とその家族について調べました。

ちなみに、アボリジの子供は年少の時から中耳炎にかかりやすく、その後難聴になる場合が特に多いのだそうで、この研究者はアボリジニに中耳炎が多い原因を探るため、社会的、人口統計学、環境、生物学的データを集めました。
その結果、次のことが明らかになりました。

アボリジニの子供の少なくとも74%が、中耳炎と診断されていた。一方、非アボリジニの子供では45%であった。
アボリジニの子供の64%、非アボリジニの子供の40%が、間接喫煙に曝されていた。
・間接喫煙を起こらない状況では、アボリジニの子供では27%、非アボリジニの子供では16%が、中耳炎になる頻度が減少していた。
・家庭などで間接喫煙に暴露されている場合でも、子供が保育園などに行くようになると中耳炎になる頻度が低下した。

以上の結果から、間接喫煙が子供の中耳炎と密接に関係していると結論されています。

この研究者によると、関節喫煙により免疫力が低下し、その結果中耳炎を起こす細菌が呼吸器系に付着しやすくなるのではないかということです。

そして、今回の結果は単にアボリジニの子供についてだけでなく、全ての地域の子供にも当てはまり、間接喫煙の暴露を下げるよう警告しています。


貴方のご家庭では、どなたか喫煙されている方はいらっしゃいますか?
そしてお子様の健康は・・・?


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