妊娠適齢期:男性は35歳未満。

<妊娠適齢期:男性は35歳未満。>


 日本では結婚年齢が高齢化し、妊娠の時期が大きな問題となってきました。
 これは単に日本だけの問題ではなく、先進国共通の問題です。

 女性の場合は、妊娠時期が遅れると流産や奇形児出産のリスクは高まることはよく知られていますが、同様に高齢化した男性の精子はやはりいろいろと問題があるようです。

 12,200 組のカップルについて、調べたフランスの研究によると、男性が35歳以上の場合は妊娠成功率が低下することが確認されたというものです。

 特に男性が40歳以上だとそのチャンスは大幅に低下すると言うことです。

 これはパリEylauセンターのStephanie Belloc博士が、バルセロナのヨーロッパ出産発生学会(European Society of Human Reproduction and Embryology (ESHRE))で報告したものです。

 今までの研究でも、自然妊娠或いは人工妊娠どちらのケースでも、男性が40歳以上だと、その女性は妊娠しにくい事が報告されていました。
 これは、精子のDNAにダメージが起こる割合が高くなるためとされています。

 この研究では2002年1月〜2006年12月までパリEylauセンターで不妊治療に来訪したカップルについて調べたもので、男性の精子については、精子の泳動能力及びその大きさ、形等を調べました。

 その結果、予想通り女性では、35歳を超えると流産の頻度が増え、妊娠率も顕著に低下することが確認されました。

 また、父親が30歳後半だった場合にも、流産の率が高まっていることが明らかになったそうです。

 特に、父親が40歳を超えている場合には、妊娠する頻度が極度に低下していました。

 実際、これらのカップルでは、妊娠のうち1/3が流産となり、治療を受けた内の僅か10%しか妊娠まで到達できなかったということです。

 Belloc博士によると、このようなカップルに対しては、試験官内で受精させる体外妊娠を薦めるべき、と云うことです。

 この方法では、成功率そのものはあまり高くはないものの、男性の年齢が高くても妊娠が起こり、また流産のリスクが低いのだそうです。


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