魚の肝油:関節リウマチ患者さんの痛み止め薬の使用量を低減。

<魚の肝油: 関節リウマチ患者さんの痛み止め薬の使用量を低減。>


肝油と聞くと、小学生時代に無理やり飲まされたいやな思い出があります。
そして、あの臭さは今も記憶に残っています。

ところが、タラの肝油を日々摂取すると、関節リウマチの痛み止めの使用を抑えることが出来ることが、最近の研究で明らかになりました。

これはDundee大学のJill Belch教授が、リウマチ学会誌Rheumatology(2008, March issue)に報告したものです。

ご存知のように関節リウマチは、自己免疫疾患の一種で、いまだに根治療法がなく、痛み止めや抗炎症薬を用いる対症療法が主流です。

この様な場合は、イブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬NSAIDがよく使用されていますが、胃内出血のリスクが高まることが知られており、また最近では、心臓発作などの副作用の心配もなされています。

研究では約60名の関節リウマチ患者さんに、タラ肝油或いはプラセボ偽薬を1日10gづつ、12週間摂ってもらいました。
そして同時に、患者さんの疼痛の具合や症状を見ながら、NSAID薬の使用量を徐々に減らす事が可能かを調べました。

すると、タラ肝油を摂った人では、NSAIDの日常使用量を39%減らすことが可能であることがわかりました。
なお、プラセボ偽薬を摂った人では10%しか使用量を減らすことができませんでした。

これらの結果から、タラ肝油はリウマチ患者さんの痛みや副作用を減らすことが出来る安全なサプリメントである、とこの研究者は述べています。

なお、肝油がそのような効果を示した理由ははっきりとはわかりませんが、魚油に含まれる脂肪酸類が抗炎症作用を示したと考えられるそうです。


天然のタラ肝油には、DHAやEPAなどのオメガ3不飽和脂肪酸、及びビタミンAが豊富に含まれていることがわかっていますので、関節炎でお悩みの方は、試してみる価値がありそうです。


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