母乳や牛乳に、放射線障害予防効果。

● 母乳や牛乳に、放射線障害予防効果。


 飛行機に乗ると、はるかかなたから来た宇宙線放射線)に当たる機会が増
え、健康に影響を与えるという説があります。
 特に、飛行機のパイロットやそのほかの搭乗員、あるいはしょっちゅう海外
に出かける人は注意が必要とされてはいますが、実際にそれを防ぐ方法も見あ
たらないのが実情です。

 今回、母乳や牛乳などに含まれるラクトフェリンに、放射線障害を防ぐ効果
があることがわかりました。
 飛行機によく乗る人だけでなく、日常からX線放射線が気になる人に朗報
ですので取り上げてみました。。

 ラクトフェリンは、母乳や哺乳類の乳汁に多く含まれるタンパク質です。
 今までも、ラクトフェリンには様々な身体によい効果を示すことが知られて
おり、安価な健康食品として利用されています。また、C型肝炎ウイルスの治
療にも効果があるとする研究もあります。

 これは、放射線医学総合研究所の西村義一センター長らが行った、マウスを
用いた研究で明らかになったもので、今後、被爆障害の安価な予防薬、治療薬
の開発につながることが期待されています。

 今までにも、放射線防護物質については、多くの薬剤が報告されているので
すが、副作用を伴うものもあり、新たな薬剤開発、特に放射線被爆後に投与し
て有効な効果が得られる薬剤の開発が望まれていました。

 今回の研究で、ラクトフェリンに強い放射線防御の効果が見出されたことか
ら、新たな放射線障害治療薬剤の開発につながることが期待される訳です。

 特に、放射線防護剤の多くは、被爆前の投与により予防効果を示すのですが、
ラクトフェリン被爆後に投与しても効果が得られるという利点があり、治療
薬剤としても注目されているそうです。

 同研究所は、既に「抗放射線被爆障害剤」として特許出願を完了したそうで
すが、簡単に手が入り、安価なものですので、今後の成果が期待されます。


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