薬局で買える抗肥満薬が発売間近:ただし、米国でのお話

●薬局で買える抗肥満薬が発売間近:ただし、米国でのお話


 この度、日本の厚生労働省に相当する米国FDAが、アリ(Alli, Orlistat)と
いう商品名の成人用抗肥満薬の発売を認可しました。
 過去FDAが、薬局で簡単に買える抗肥満薬を認可したことが無く、今回のアリ
が最初のものとなります。

 ちなみにこのアリと同じ成分であるOrlistatは、Xenicalという商品名で、処
方薬としても発売されるとのことです(ロッシュ製薬が製造販売)。
 そして、薬局向けのアリは、グラクソスミスクライン社が発売するもので、
この夏に店頭に現れることになりそうです。

 さて、この新薬は、低脂肪食、カロリー制限、運動療法などの体重低下プログ
ラムと同時に行うことにより有効になるもので、この新薬だけではそれほど有効
ではないとされています。
 どのくらいの体重減少が期待されるかが気になりますが、食事制限だけで5ポ
ンド(約2.3kg)の体重減少が起きる時では、この新薬を飲むと更に2-3ポンド体
重低下が期待できるという事です。
 また、他の体重低下プログラムと同時に行うと、6ヶ月間に5-10ポンドの体重
減少も可能ということで、かなりの効果が期待できそうです。

 ただし、この新薬の効果が出るのは、BMI(body mass index) が27以上の人で、
30位の人が最も有効ということです。

 この新薬の作用機構は、脂肪が体内の臓器に沈着するのを防ぐもので、60mgの
錠剤を1日3回食事と共に摂取することにより、脂肪分の吸収を抑えます。
 従って、栄養吸収に問題がある人には使えません。

 また、問題の副作用ですが、便通に異常が生じ、また便が柔らかくなることが
あるそうです。
 更に、他の薬を飲んでいる人は、薬の飲み合わせの問題が生じたりしますので、
特に糖尿病や甲状腺障害を持つ人は、医師・薬剤師とよく相談する必要があると
注意されています。

 しかし、FDAが認可するということは、効き目があるというお墨付きを与えるこ
とになりますので、肥満大国の米国では一大ニュースとなっています。

 詳しくは、グラクソスミスクライン社のニュースリリース(米国版)をご覧く
ださい。

以上は、あくまでも米国でのことですので、、日本では買えません。。 
 もっとも、米国に行けば買えるでしょうけど・・・。


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