「血中のアルコールが消える薬」は、薬事法違反です。

●「血中のアルコールが消える薬」は、薬事法違反です。


 ”お酒を飲んでも悪酔いしない方法は?”というお話です。

 このところの飲酒運転の取り締まり強化に対応してか、「世界初!血中のア
ルコールが消える薬」との広告で、「飲めば酔いがさめる」とうたった未承認
医薬品が販売されていたようです。

 この広告をインターネット上で掲載したのは、広島市にあるタイニックとい
う健康食品販売会社で、薬事法違反(未承認医薬品の広告禁止)容疑で、広島
県警生活環境課により家宅捜索されたというニュースが、昨年末にありました
(2006年12月21日、時事通信より)。

 問題となったものは、「スーパー酔いさめα(しらふスッキリ)」というも
ので、同社のインターネット広告によると、“体に良いとされる多種類の自然
食品を特殊技術で加工し、それぞれを単品で食べるより高い効果を上げて”い
るのだそうです。

 そして、“肝機能の活性化を促進することで、血中のアルコール分や有害物
質を短時間で分解・排出する、即効性に優れた健康食品”と述べられており、
更に“肝臓の機能が弱っている方、お酒の好きな方、お酒に弱い方、アルコー
ル依存症の方、疲れやすい方、気力・活力がない方等にお勧め”などの記載が
されていました。

 ちなみに、主な原料はレシチン・秋ウコン・牡蠣・ユッカ・田七人参・シャ
ンピニオン・梅・大豆・レモンで、タブレットの形状に仕上げたものだそうで
すが、未承認医薬品の広告禁止に違反している可能性が高いとのことですので、
ご購入・ご使用はお控え下さい。


 ところで、お酒を飲む場合には、適量を無理せず飲むことが、悪酔いしない
秘訣です。

 アルコールそのものは肝臓で分解・処理され、通常は体重60kgの男性では1時
間に7gのアルコールを肝臓で分解・処理できるとされています。
 これから計算すると、翌日までにアルコールを完全に処理できる量は、約20g
の純アルコールとなり、これが適量となります。
 即ち、ビール中瓶1本、清酒0.9合に相当し、分解には約3時間が必要となるわ
けです。

 勿論、お酒に強い人弱い人がいますので一概には言えませんが、アルコールを
分解するなどとうたった薬事法違反のクスリを摂るより、適量のアルコールを守
って、楽しいお正月、そしてこれらかの新年会を迎えられますよう。


□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

 今日の話題は如何でしたか?

 ・既刊号は、ホームページ「http://www.drhase.info」をご覧下さい。

 ・メールマガジンをお届けしています。ご希望の方は、上記ホームページよ
  り登録なさってください。

 ・また、情報交換の場として、「http://d.hatena.ne.jp/Drhase/」のコメ
  ントコーナーもご覧下さい。