オレンジやグレープフルーツジュースは、骨粗鬆症を予防する。

● オレンジやグレープフルーツジュースは、骨粗鬆症を予防する。


 オレンジやグレープフルーツなどの柑橘類には、ポリフェノール類や各種の
ビタミン、ミネラル類など、健康維持にはなくてならない物が多く含まれてい
ます。
 また、これらはクエン酸も多く含んでおり、カルシウムの吸収を良くして、
骨の形成を助け、骨粗鬆症の予防に有効ではないかといわれてきました。

 今回、このような柑橘類に含まれるフラボノイドには、実際に骨破壊を押さ
え、骨形成を促進させる作用がある研究結果が報告されましたので、お知らせ
します。

 これは、Texas A&M大学のFarzad Deyhim教授らが、Elsevier's栄養学誌に
報告したものです。

 研究では、36匹の雄ラットを2群に分け、9匹には通常の生活をさせるコン
トロール群とし、残りの27匹は去勢(睾丸摘出)した後、更に9匹ずつ3群に分
けました。

 そしてそのうちの1群には今までと同様の食事をさせ、もう1群はオレンジ
ジュースを含む食事を、他の1群にはグレープフルーツジュースを含む食事を
与え、2ヶ月間飼育しました。

 なお、去勢を行ったのは、雄ラットが出すテストステロンには抗酸化作用が
あり、また雄ラットが高齢化するとテストステロンの値が低下するので、その
ような影響を除くためだそうです。

 そして、実験開始から2ヶ月後に、ラット血液中の総抗酸化物質の量を調べ、
同時に骨形成と再吸収の度合いを調べました。

 その結果、コントロールの去勢していないラットと去勢したラットを比べた
ところ、去勢したラットでは総抗酸化物質が低くなっており、また大腿骨密度
などの骨量も低下していることが確認できました。

 ところが、オレンジジュースやグレープフルーツジュースを与えた去勢ラッ
トは、対照の通常の食事を与えられた去勢ラットに比べて、酸化ストレスが大
幅に改善されており、また大腿骨の密度も回復していることが明らかとなりま
した。

 以上の結果から、骨密度の減少は酸化オキシダントが原因で、オレンジやグ
レープフルーツなどの柑橘類のジュースにはそれに対する抗酸化物が多く含ま
れており、骨細胞の酸化ダメージを抑えたのではないかとしています。

 そして、柑橘類には約400もの抗酸化物質が含まれていますが、そのうち
でリモノイド(limonoid)が有効であろうと述べられています。

 今回の研究はラットを用いたものですが、人の場合も同様のメカニズムで骨
破壊が起こることから、人の骨粗鬆症にも有効であると考えられるそうです。

 骨粗鬆症が気になる皆様は、できるだけ多くこのような柑橘類のジュースを
飲まれるとよいと思います。勿論、カルシュームとビタミンDもお忘れなく。


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