緑茶が白血病に有効。

●緑茶が白血病に有効。


 最近、嬉しい事に、緑茶が健康によいと、様々な雑誌などに書かれています。

 しかし、その中身を見ると、「ほんまかいな?」と疑問に思わざるを得ない
ものも多く見受けられます。
 緑茶の効果を確信しているのですが、そのようないいかげんな噂が広まると、
かえって緑茶に対する信頼性が失われるのではないか、と危惧しているところ
です。
 そしてそれには、キチンとした論文で、科学的な論拠に基づいた評価(EBM
Evidence Based Medicine)が必要と考えています。

 さて、話を戻して、緑茶成分の有効性に関する論文です。

 お茶に含まれる、エピガロカテキン・ガレート(EGCG)が、慢性リンパ性白
血病(CLL)の抑制に効果があることが、医学研究では定評のあるメイヨーク
リニックの研究で明らかになりました。

 この研究結果は、メイョークリニックのTait Shanafelt博士らが、医学雑
白血病研究誌(Leukemia Research、2005、Dec, Online)に報告したもの
です。

 研究では、メイヨークリニックで治療を受けている4名のCLL患者さんを対象
にし、薬局で購入できるEGCG製品を摂取してもらいました。

 ちなみに、緑茶成分には様々な抗酸化物質が含まれていますが、その中でも
EGCGには強い抗酸化作用がある事がよく知られています。

 その結果、この患者さんたちはいずれもEGCGを摂取始めてから病状が回復し、
また4名中3名は検査値の結果が改善しつつあるということです。

 この研究グループは、2004年に医学誌のBloodという専門誌に、EGCGがCLL
患者さんの白血病細胞のシグナル伝達系を破壊し、その結果として癌細胞が消
滅する事を報告していました。

 今回はその続編にあたる研究結果で、単に試験管内の実験でだけなく、実際
に患者さんの病状改善に役立つとしています

 今のところ、研究対象になった患者さん数が少ないので、本当に有効である
事を実証するには、今後更に詳細に調べる必要があります。

 しかし、現在のところ、有効なCLL治療法やよく効く薬がないだけに、その
結果が期待されます。


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(お知らせ)

パリ及びジュネーブの国際保健機関の訪問のため、11月中旬までお休みいたし
ます。
最新の医療情報を入手してまいりますので、お楽しみに。
 
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