喘息と肥満の間には、強い相関性がある。

● 喘息と肥満の間には、強い相関性がある。


 最近、喘息の人が非常に多くなってきています。私の周りにも喘息でお悩み
の方がいらっしゃいますが、一般的にはその原因は大気汚染や食物アレルギー
などとされています。
 ところが、喘息と肥満の間には遺伝的に強い関連性がある、という論文を見
つけましたので、お知らせします。

 これは米ワシントン大の研究グループが、医学学術誌「アレルギーと臨床免
疫学雑誌」(Journal of Allergy and Clinical Immunology, 2005, Dec.)
に報告したものです。

 この論文によると、肥満の人の間では喘息患者さんの比率が高い事が分かっ
たそうです。

 研究では1卵性または2卵性双生児について、喘息発作頻度や肥満度につい
て比較しました。
 その結果、喘息と肥満が強く関係しており、同じ遺伝子的背景が喘息と肥満
の発症の原因である可能性が考えられるとされています。

 今までも、肥満の人は喘息になりやすいといわれていたのですが、今回の報
告でこれが確認された事になります。

 さらに、これら喘息と肥満の2つの障害の間には、共通した遺伝的要素が絡
んでいる可能性があり、重要な医学的発見であるとされています。


 喘息と肥満の人は共に、日本や西欧諸国で増加しており、重大な社会問題と
なっており、これら2つの障害は、遺伝的なのか環境的要因かがいつも問われ
ているところです。
 今回の報告では、喘息や肥満には共通の遺伝的背景が強く関係しており、そ
れが環境的因子とあいまって発症させやすくしていると考えられる訳です。

 それでは、肥満を治せば、喘息になりにくくなるのでしょうか? 
 気になります。


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