独身者の寿命は短い。

● 独身者の寿命は短い。


 独身者と結婚生活者の間に、死亡率におおきな差があることがわかりました。

 これは、カルフォルニア大学ロスアンジェルス校保健医学のRobert Kaplan
教授らが、「疫学とコミュニティーヘルス」誌(September 2006, Journal of
Epidemiology and Community Health )に報告したものです。

 以前の研究でも、結婚生活者は平均寿命が長く、独身者に比べて心疾患にな
りにくいことが知られていました。
 しかし今までの研究では、結婚歴があっても、その後に死別した人や離婚経
験者などと比較した詳細な報告はなく、今回これらを深く掘り下げたものです。

 この研究では、1989年及び1997年の米国国民死亡率の結果を元に分析してい
ます。
 1989年時点では約半数の人が結婚しており、10%が死別経験、12%が離婚経験、
3%が別居中、5%が他の人と同居中で、残り20%が真の未婚者だったそうです。
 次に1997年の結果を調べ、その間の死亡率の差を比較しました。

 その結果、現在独身生活中の人では、結婚中の人よりも死亡率が明らかに高
いことが分かったそうです。
 また、結婚を全く経験したことのない人ではその率が更に高く、また女性に
比べて男性の方がその傾向が強い事が明らかになりました。

 即ち、結婚歴があり死別した人では40%、離婚や別居経験者が27%であったの
に対し、未婚者では58%の死亡率で、結婚者に比べると早死リスクが明白だっ
たという事です。

 そして、この傾向は全ての年齢層について共通で、死亡原因も特に差は見ら
れ無かったそうです。

 以上のことから、未婚者は健康状態が悪く、病気のリスクが高い生活をしが
ちであり、また長生きするには気持ちの通じたパートナーとの幸せな結婚生活
が一番とされています。


 この結果はさほど驚くにはあたりませんが、ご存知のように、日本では結婚
に踏み切る人の割合が年々下がっています。
 という事は、若い人の間では、徐々に早死にする傾向が高まって行き、結婚
生活で得られる幸せを知らないまま、早くあの世に行く人が増えていくのかも
しれません。
 勿論、一概に結婚が良いとは言えませんが、気になる結果です・・・。
 

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 今日の話題は如何でしたか?

 ・既刊号は、ホームページ「http://www.drhase.info」をご覧下さい。

 ・メールマガジンをお届けしています。ご希望の方は、上記ホームページよ
  り登録なさってください。

 ・また、情報交換の場として、「http://d.hatena.ne.jp/Drhase/」のコメ
  ントコーナーもご覧下さい。