総務省:鳥インフルエンザ・パンデミックを前に、厚労省の対応不備に

総務省鳥インフルエンザパンデミックを前に、厚労省の対応不備に改善
を勧告。


 パンデミック(pandemic)とは、同時期に全世界で起こる流行の事で、感染
症が爆発的に流行し、パニックが起こる事を危惧する言葉です。

 特に現在は、鳥インフルエンザが最もパンデミックを起こす可能性が強く、
各国政府が真剣になってその対応策を講じているところです。

 ところが日本では、以前鳥小屋ではやった病気ぐらいにしか理解されておら
ず、もしヒトの間で流行するようになると、大パニックが起こる事はあまり真
剣には捉えられていません。

 これはどうも一般国民だけでなく、国の保健を預かる厚生労働省も同じよう
で、もしそのような流行が起こる場合には、日本の医療機関は全く対応できな
いと、専門家の間では危惧されていました。

 これを重視した総務省が、7月25日、遂に厚労省に対して対応の不備を改善
するよう勧告したというニュースです。

 総務省は、2004年12月から06年2月まで、鳥インフルエンザなどの
感染症が発生したり、あるいは海外から持ち込まれた場合の対応策について、
全国から抽出した24検疫所や都道府県などを対象に調査していました。

 その結果、法律で定められている、感染力の強い感染症患者を収容する第1
感染症指定医療機関の指定を、47都道府県中25道府県が行っておらず、
うち15県は指定のめどすらたっていないことが分かったそうです。

 また、鳥インフルエンザの患者の入院先を確保しているのは、調査した14
都道府県のうち2県だけで、患者の移送体制も未整備な事が明らかになりまし
た。

 もし、アジアで今発生している高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N1型が、
ヒトにも感染するようになると、1918年に世界中で5,000万人が死亡したスペ
イン風邪に匹敵する大流行が起こると予想されています。

 そして、日本だけでも65万人の死者が出ると、厚生労働省が試算しているも
のです。

 その試算をして、パンデミックの恐怖を一番理解しているはずの厚生労働省
がこういう有様なのには、心底ガッカリしました。

 そして同時に、我々自身がパンデミックから逃れる方法を考えなければと強
く感じた次第です。
 

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