日本人男性の精子の数は、世界最低!!

● 日本人男性の精子の数は、世界最低!!


 日本人の出生率が1.25を割り、予想よりもはるかに低くなっていると、各紙
の新聞が警告しています。
 気になって、手元にある百科事典の国勢調査を元にした人口ピラミッドを眺
めなおすと、五重塔を少なくした“二重塔”のように見え、ますます根本が細
くなっており、将来が案じられます。
 各国のピラミッド表をお見せできないのが残念ですが、日本だけでなく、韓
国、中国すらも日本に追随していくようにも見えます。

 さて、その原因である出生率の低下についてですが、とても気になる報告が
ありましたので、お知らせいたします。

 日本人男性の精子数は、フィンランドの男性の精子数の約3分の2しかない
など、調査した欧州4か国・地域よりも少ないことが分かり、関係者にショッ
クを与えているというものです。

 これは、日欧共同研究で明らかになったもので、英国専門誌及び日本医師会
誌の2006年5月号に同時に発表されたものです。

 元々は、精巣がんが増えているデンマークの研究者が提唱したもので、日本
からは聖マリアンナ医大の岩本晃明教授らが参加しました。

 研究では、神奈川県内の病院を訪れた20〜44歳の日本人男性324人
(平均年齢32.5歳)の精液を採取し、その中の精子の数を数えた結果わか
ったものです。

 環境ホルモンがその原因のひとつと考えられるそうで、以前から報告されて
いるように、米国でペニスが異常に小さいワニが多数発見されたり、英国の川
で卵巣と精巣の両方を持つ「雌雄同体」型の魚が見つかるなどと同様に、環境
ホルモンが原因のようです。
 ちなみに、横浜市大の井口泰泉教授の調査により、多摩川のコイの雄に発達
の遅い異常な精巣を持つ個体がたくさんみられたことも知られています。

 この環境ホルモンが、男性生殖器の異常を引き起こし、男子の精子数を激減
させていると考えられるそうです。


 では、環境ホルモンから身を守るにはどうすればよいか?

 大変に難しい問題で、人類はすでに、身近にある化学物質として5〜10万種類
を合成し、これらの中にどのくらいの種類が環境ホルモン作用を有するのか不
明です。
 環境ホルモンは脂肪に付着しやすいため、動物性脂肪を取り過ぎないとか、
食器をプラスチック製からガラスや木製品にする、缶入りの飲料をさける、低
農薬や無農薬で作った野菜を食べるなどの方法も効果的とされています。

 また、最も心配なのは胎児や乳幼児への影響です。特に妊娠初期(妊娠12週
くらいまで)に環境ホルモンが体内に入ると、生殖異常につながる可能性が高
いため、妊婦さんは十分な注意が必要です。

 しかしこの環境ホルモンの問題は、個人でどうなるというものではなく、国
全体がその対応を考えるべきものです。日本、そして世界中で環境ホルモン
対する世論がまきおこる事が望まれます。


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