音痴の原因がわかった!

● 音痴の原因がわかった!


 あまり人の事は言えた柄ではないのですが、カラオケなどで、どうしてこの
人はこんなに音程が狂うのだろうか、と不思議に思う事があります。

 そういう事も重なって、音感について調べていたところ、いわゆる音痴の人
は、失音楽症と呼ばれる、レッキとした症状の1つで、脳の右側の活動に異常
がみられる、という報告を見つけましたのでお知らせします。

 これは、カナダ・モントリオール大学のIsabelle Peretz氏らが、医学誌
Annals of Neurology (2005, Aug. 29)に報告したものです。

 研究では、脳波検査(EEG)法を用いて、さまざまな領域の脳細胞が音に対
して、音痴とされる人の反応を調べました。

 音痴の人8例、および正常音程の人10例を対象として、異なる音程を各音100
ミリ秒ずつ連続して聴かせたところ、音痴の人では、音程差が小さい場合では、
その変化を感じ取ることが出来ませんでした。
 さらに、音痴の人では脳の右側に正常の人には見られない異常点が認められ
たそうです。

 そして重要な点は、“先天性の音痴であっても一次聴覚皮質は損傷されてお
らず、音程認識が困難になるのは生後に起こる聴覚処理の異常にて生じる”事
が、今回の結果から分かったという点です。

 この研究者等は、音痴の人が実際とは異なる音程に感じる理由についても、
更に研究をすすめているそうです。


 美空ひばりさんやビートーベンの脳は、一体どんなんだったのでしょうか?
 そして、音楽家に必要な、絶対音感と呼ばれる感覚は科学的にはどんなもの
なのでしょうか? 疑問が広がります。


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