オメガー3脂肪酸:がんリスクを減少させるエビデンスなし!

● オメガー3脂肪酸:がんリスクを減少させるエビデンスなし!

 青魚に含まれるEPAやDHAは、オメガ3に分類される脂肪酸で、オメガ
3脂訪酸は細胞が正しく機能するためには不可欠なものであることがわかって
います。
 また、オメガ3が不足するとイライラしたり集中力がなくなったりします。
 最近若者が切れやすい事と関係しているのではないかと考える人もいる程で
す。
 さらに、オメガ3脂肪酸を摂取すると心臓疾患のリスクが軽減できることや、
アトピー性などの皮膚炎や喘息、慢性関節リウマチ、腸の炎症の鎮静や改善に
も効果があることが認められています。

 このように、様々な面で効果が期待されているオメガ3脂肪酸なのですが、
最近の報告によると、残念ながら、がんのリスクを低下させる効果はさなそう
とのことです。

 これは、米医師会雑誌(JAMA, 2006, Jan, 25)に掲載されたもので、
「38件の研究論文を分析した結果、オメガ3脂肪酸が、がんのリスクを減
少させるという強力なエビデンスは見つからなかった」と報告されています。

 研究では、今まで発表されているがんに対するオメガ3脂肪酸の効果を評
価した論文を再評価し、実際にオメガ3脂肪酸によるがんの予防があるかを
再検討しました。
 対象は、1966年から2005年の間に出版された38件の論文だった
そうです。
 その結果、オメガ3脂肪酸とがん発生の間には、有意な関連を示すエビデ
ンスは認められないとの結論に至ったという事です。

 がんには有効とのエビデンスは残念ながら得られなかったようですが、オ
メガ3脂肪酸を摂る事は健康に良い事は、他の調査結果から明らかです。
 皆様、これからも、青身魚を食べる事はお続けくださいませ。

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