花粉症に有効なハーブ薬が開発された

● 花粉症に有効なハーブ薬が開発された

 花粉症の時期にはやや早いのですが、花粉症で悩む人に朗報です。スイスと
ドイツの科学者らが、抗ヒスタミン薬のように眠気が起こらず、非常に有効な
花粉症用のハーブ薬を開発したという話題です。

 日本を含む先進国では、実に全人口の約20%がアレルギー性鼻炎などの花
粉症の患者だそうで、通常このような花粉症の治療には抗ヒスタミン薬が用い
られています。しかし、この抗ヒスタミン薬は服用すると眠くなるなどの副作
用が強く、車の運転や危険な仕事をする人は飲むことができません。

 ところが今回、アジア及び北米によく見られるバタバーの葉のエキスが花粉
症によく効き、更に抗ヒスタミン薬のような眠気を催す副作用がないことが明
らかになりました。

 この報告は、フィトセラピー研究誌(journal Phytotherapy Research, 2005)
に報告されたものです。

 バタバーの根は古くから治療薬として使われていましたが、最近の研究で、
葉にはアレルギー反応を抑えるペタシン(petasine)と呼ばれる化学物質を多
く含まれていることがわかっていました。

 これに目をつけたスイスの製薬会社(Zeller AG of Romanshorn)が、バタ
ーバーの葉から、抗アレルギー性鼻炎に有効なZe339と呼ばれるハーブ薬を開発
しました。

 そして今回の研究では、このバタバーエキス薬、或いは眠気が起こりにくい
とされている薬のフェキソフェナジン(fexofenadine)を花粉症の患者さんに
投与し、その効果と副作用について調べました。

 その結果、バタバーエキス薬及びfexofenadineを投与された患者さんでは、
花粉症に対する有効率はほぼ同じであることが分かったそうです。

 次に副作用について調べたところ、fexofenadineでは3/4の人が眠気を
感じたのに対し、バタバーエキス薬では1/3の割合でした。

 これらの結果から、バタバーエキス薬は花粉症に有効で、且つ抗ヒスタミン
薬に比べて眠気を起こさない点、有効であると結論されています。

 また、バタバーには、肝臓障害を引き起こすpyrrolizidineアルカイドを含
まれており、いいかげんな抽出法で製造されたものは危険です。
 しかしこのZe339は、人工栽培により毒性アルカロイドの含量も少なくする
などの工夫もされており、安全性も高くなっているようです。

 花粉症シーズンにまでに、このハーブ薬の開発が更に進むことが期待されま
す。

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<心に効く、言葉のサプリメント

 「薬は病気の人間を、数学は悲しむ人間を、神学は罪深い人間を生む。」
                               (ルター)

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