太陽光を浴びて、皮膚がんを抑える。

●太陽光を浴びて、皮膚がんを抑える。

 太陽の紫外線を浴びると、皮膚にしみができたり、或いは皮膚癌にもなりや
すくなることはよく知られています。
 そのため、太陽光を避けるのが一般常識となりつつあるのですが、今回逆に、
太陽を浴びるとがんの増殖が抑制されることが、最近の2つの論文で報告され
ていますのでご紹介いたします。

1)太陽光は悪性リンパ腫非ホジキンリンパ腫をおさえるというもので、カ
ロリンスカ研究所及びウプサラ大学の研究者らが共同して行ったものです。
(論文タイトル:Ultraviolet Radiation Exposure and Risk of Malignant
Lymphomas; Journal of the National Cancer Institute, 97, No.3. 199-209,
2005)
 研究は3,000例以上のリンパ腫の患者さんと、3,000人の健康な人へのインタ
ビュー調査したもので、太陽やランプからの紫外線を浴びた場合には、癌の発
育が30−40%も抑制されていたということです。

2)もうひとつは、悪性の皮膚がんであるメラノーマによる死亡率が、太陽光に
より低下するというものです。(論文タイトル:Sun Exposure and Mortality
From Melanoma; Journal of the National Cancer Institute, 97, No.3.
195-199 (Feb.2, 2005)
 これは米国ニューメキシコ大学の研究者らが行ったもので、太陽光を浴びる
ことでメラノーマによる死亡率が高まるかを調べたところ、結果は逆で、太陽
光を浴びたメラノーマの患者さんは死亡頻度が低下していることが明らかにな
りました。
 研究者等は、太陽光によりビタミンDが作られるために癌が抑制されたのでは
ないかとしていますが、ガンの専門家によるとこのような既にメラノーマとな
っている患者さんは大量の太陽光を浴びると、がんの増殖を抑える可能性があ
るとしています。
 しかし、太陽光はガンを発生させる危険性のほうが高いので、現状ではやはり
太陽光を浴びない方がよいのでは、と心配もしているようですが・・・。

 実は私も手にあったほくろが、紫外線ランプの下で実験を繰り返ししている
うちに消失したという経験があります。
 癌を消失させるために必要な紫外線の波長やその量など、今後さらに詳しい
研究が期待されます。

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                      【Claude Levi-Strauss】

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