茶髪・白髪染用ヘアカラーは、癌を起こす?

●茶髪・白髪染用ヘアカラーは、癌を起こす?

 茶髪は若い女性の間では当たり前で、茶髪でない人を探す方が難しいほどで
す。勿論若い人だけでなく、白髪が混じり始めた人から、かなりの高齢の方ま
で広く使われています。
 国内のデータはわかりませんが、ヨーロッパ及び北アメリカでは40歳以上の
女性の1/3が、また男性の10%が何らかのヘアカラーをしているという事です。

 ところが、このヘアカラーには、癌の原因となるDNA変異を起こす芳香族ア
ミンが多かれ少なかれ入っており、そのためヘアカラーをする人は癌のリスク
が高いのではないかとの議論が以前からあります。
 特に、ヨーロッパ安全委員会が、“ヘアカラーの使用が癌の発生に関係があ
るのではないか”という発表して以来、大問題となっています。

 しかし、今回スペインのSantiago de Compostela大学の研究者らが、通常
のヘアカラーの使用は乳癌や膀胱癌の危険率を高めることはないと報告してい
ますので、今日はその話題をお送りします。

 これは、今まで報告された11カ国79の研究論文を調べた結果わかったもので、
米国医学協会誌(American Medical Association, 2005, May 25)に報告さ
れたものです。

 その報告によりますと、分析結果が得られなかった毛染め剤もあるものの、
「毛染め剤の使用者に、発がんの危険性が増えることはない」とされています。
 また、白血病や骨髄腫のような血液の癌に対しては、その危険率は+/−の
ボーダーライン上にあるのですが、多くの人が気にしているような癌の発生に
は余り影響していないということです。
 しかしこの研究は、通常の髪染めをしている人についてのもので、もっと長
期間大量にヘアカラーガスなどの晒される美容師さんに癌の危険率が多い事も
考えられます。

 また、他の研究者によると、この研究結果は、癌発生の危険性を低く見積も
っているのではないか、などの反論もあるようです。

 私の娘も茶髪染をしているようですので、今後の研究結果が気になります。

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