人の体でも、大麻が出来る！

●人の体でも、大麻が出来る！

　先日、人の細胞がモルヒネをつくる事ができる、というニュースをお送りし
ました。　ところが今回、出産の時には母親の体内で、大麻によく似た物質が
出来る事がわかりました。

　通常は体内で微量にしかつくられない大麻様の成分（内在性カンナビノイド）
が、分娩直前には妊婦の体内で大量に作られるのだそうです。

　これは英国レスター大学の研究グループが、臨床内分泌学・代謝学雑誌
（Jounal of Clinical Endocrinology and Metabolism, Nov. 2004）に報告
したものです。
　内在性カンナビノイドは、通常でも体内のいろいろな臓器で微量つくられる、
大麻とよく似た成分です。しかし、できる理由や機能もほとんどわかっていま
せんでした。
　そこで研究グループは、内在性カンナビノイドの一種であるアナンドアミド
が、いつ体内で多く作られるかを調べました。

　その結果、排卵前は排卵後より非常に多く女性の体内で合成されるようにな
り、通常の妊娠中には微量しかできないのに対し、分娩直前には約４倍にも増
加していたそうです。　特に、分泌量の増加は陣痛前に顕著だったそうです。

　今のところ、出産時に増加する理由は分かりませんが、出産に伴う痛みを緩
和させる自然発生的な身体の反応という説や、分娩を調節する重要な信号であ
る可能性などが考えられるそうです。
　また、妊婦が大麻を吸うと未熟児を出産するリスクが大幅に上昇する事が知
られていますが、これとなんらかの関係があるのではないかという事です。

　脳から出るホルモンが生き方を変えるという”脳内革命”という本がありま
すが、何か関係がありそうな気がします。

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