花粉症の人に朗報:光療法が効く

●花粉症の人に朗報:光療法が効く

 今年の花粉症は大変なもので、周りには花粉症の人ばかりです。目の痒み、
鼻水、くしゃみと、皆さん大変困っておられます。
 確かに、その治療には抗アレルギー薬が有効なのですが、服用した後眠くな
るなど、車を運転したり危険な作業をする人はなかなか使う事が出来ません。

 ところが今回、紫外線と可視光線を照射すると、花粉症などのアレルギー反
応に伴う鼻孔のかゆみや鼻水に有効であることが明らかになった、という嬉し
いニュースです。

 これはハンガリーのSzeged大学のAndrea I. Koreck博士らが、「アレルギー
と免疫医学誌(Journal of Allergy and Clinical Immunology, March 2005)
に報告したもので、花粉症に限らずアトピー性皮膚炎にも非常に有効であると
されています。

 紫外線には波長の長さにより、UV-AとUV-Bのタイプがありますが、研究では
UV-Bタイプを5%、UV-Aタイプを25%、可視光を70%混合した光を照射し、弱い可
視光のみしか浴びなかった対照の群と比較したそうです。

 ヒトを対象とする前に、先ず人の細胞を用いて調べたところ、これらの光を
与えると、免疫反応を過剰に起こす免疫細胞や炎症細胞を特異的に抑えること
が分かりました。
 次に実際に、人に対する効果を調べました。通常の治療法でも効き目のなか
った49名の花粉症の患者さんを対象として、鼻孔部に週3回づつ、3週間照射
したそうです。
 その結果、治療群はくしゃみ、鼻水、かゆみが劇的に改善したということで
す。更に、このような人が鼻洗浄を組み合わせると、血液中の炎症マーカーも
大幅に減少していました。
 これらの結果から、このような光療法は、アレルギー症状の患者さんの治療
に有効であると結論しています。

 この光療法は、体の一部だけに光を照射するだけでよいので、簡単に出来る
と思われます。また、体全体に影響がないので、副作用なども少ないと考えら
れますので、妊娠中の人など、治療薬を服用できない人に有効であると期待さ
れます。
 光療法は、ヨーロッパの冬に日差しが弱くなった時に、太陽光を補うために
はじまったもので、うつ病や痴呆症状にも有効といわれていますが、このよう
な簡単な方法で花粉症がよくなるなら、是非使ってみたいものですね。

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 「勝敗は六分か七分勝てば良い。
  八分の勝ちはすでに危険であり、
  九分十分の勝ちは大敗を招く下地となる」      (武田信玄

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