ビタミンが、効く人と効かない人がいる

●ビタミンが、効く人と効かない人がいる


 ビタミンCとビタミンEの抗酸化サプリメントは、動脈硬化の予防に有効とい
われています。
 しかし、これらの抗酸化ビタミンが効く人と効かない人がいて、効く人には
確かに動脈硬化を予防する効果がありますが、その一方で、効かない人には予
防効果がないだけでなく、逆に悪化させる可能性もあるそうです。

 これは、米国とカナダの共同研究チームがおこなったもので、糖尿病治療医
学誌(Diabetes Care2004年4月号)に報告されたものです。
(論文タイトル:The Effect of Vitamin Therapy on the Progression of
Coronary Artery Atherosclerosis Varies by Haptoglobin Type in Postmenopausal
Women)

 動脈硬化の悪化は、活性酸素などによる酸化ストレスが原因です。
 これは、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が酸化されるのが原因
で、抗酸化力の強いビタミンCとEは、LDLコレステロールの酸化を抑えて、動
脈硬化を予防するとされています。

 ところが実際にヒトを対象として調べて見ますと、ビタミンが効くとする研
究と、効かないとする研究が報告されており、その効果は明確ではありません
でした。

 そこでこの研究では、動脈硬化のために心臓の冠動脈が部分的に細くなった、
約400人の閉経後の女性を対象としてその効果を調べました。
 患者さんを2群に分け、ビタミンCとEを取った群とプラセボ偽薬を5年間服
用してもらい、冠動脈の太さを調べる事により、動脈硬化の進行度を追跡調査
したそうです。

 その結果、「抗酸化ビタミンの動脈硬化予防効果は人により異なる。ビタミ
ンCとEは、ハプトグロビン遺伝子の1型を持っている人だけにしか効果がなく、
2型の遺伝子をもつ人には効果が低い」事が明らかになりました。

 このハプトグロビンには、古くなった赤血球を再生する働きがありますが、
ハプトグロビンの働きが悪くなると血液の再生が出来ず、余った鉄分が動脈硬
化を促進させていると考えられるそうです。


 今、医療分野においては盛んにオーダーメイド医療が叫ばれています。
 これは、個々の人の遺伝的な体質に合わせて、医薬品を投与しようとするも
ので、今後の投薬のあり方とされています。
 今回の報告を見ると、医薬品だけでなく、サプリメントの摂取もオーダーメ
イド化されるのかもしれませんね。

△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△

<心に効く、言葉のサプリメント

 私は団塊の世代の一人ですが、将来を考えると不安が多く、また今までを振
り返ると、後悔することばかりです。
 そんな時に効く、言葉のサプリメンとを捜してみました。

「過去の失敗やコンプレックスにふけったり、将来についてあれこれ心配し、
 恐怖をひきつけるのは止めなさい。
 それは、貴方のエネルギーと判断力と心の平和という、唯一無二の財産を
 奪う泥棒です」             (ジョセフ・マーフィー

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 今日の話題は如何でしたか?

 ・既刊号は、ホームページ「http://www.drhase.info」をご覧下さい。

 ・メールマガジンをお届けしています。ご希望の方は、上記ホームページよ
  り登録なさってください。