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●EDでない若い男性の間でも、バイアグラが人気

　バイアグラは、本来、勃起不全（Erectile dysfunction、ED）の治療薬とし
て、中高年を対象に使われるものなのですが、最近の報告によると、大学生な
どの若い男性の間でもバイアグラの使用者が激増しているそうです。

　これは米国のDelate, T博士が、米国男性500万人の医療保険請求を調べて分
かったもので、International Journal of Impotence Research誌（August
2004; vol 16: pp 313-318.）に報告されています。

　報告によりますと、1998年〜2002年のわずか4年間に、18歳〜45歳までのバ
イアグラを使用する男性が、312％も増加したという事です。

　一方、45歳〜55歳の男性の使用者は、216％の増加だったそうですので、若
い人の方がバイアグラの使用者の増加が激しい事を示しています。

　なお、バイアグラを製造販売しているファイザー社によると、典型的な使用
者の年齢は53歳で、33歳以下で使用している男性については、ほとんどデータ
がないとしています。

　ちなみにファイザー社によると、バイアグラの処方せんが書かれたものの内
の8%が34歳〜40歳までの男性を対象にしたもので、40歳台では処方せんのうち
の26%、50歳台では36%、60歳台では22%だというデータとなっています。

　一方、Delate博士の調査では、確かに中高年の男性が、バイアグラをEDの治
療として使用するのが主なのですが、若い世代ではそのような治療薬としてよ
り、性生活上の快楽を求めている事が多いのはないかとされています。

　即ち、若い人がバイアグラを服用すると、長時間にわたって、より強い勃起
が起こる事を期待してのようです。

　例えば、Human Reproduction誌（2000年1月号）には、健康な男性がバイア
グラを服用した場合、射精後に再び勃起するまでの時間（refractory period）
が短くなり、通常20分必要なのが約半分の10分間となる事が報告されています。

　また、報告では18歳〜45歳の若い女性の間でも、バイアグラの使用が13％増
加していたそうです。
　これは、バイアグラが男性だけでなく、更年期前の女性の性欲と満足度を高
めるという期待感からのようです。
　ちなみに、これについては以前お話しましたように、真偽ははっきりしてい
ません。

　また、AIDS誌には、サンフランシスコのゲイの男性の3人に１人がバイアグラ
を使っていたという報告もあります。
　その一方で、バイアグラを使用している若い男性には、性交すること自体に
自信が無く、その不安から逃れるために使用している人も多いとされています。

　生活改善薬として、華々しく登場したバイアグラなのですが、表と裏の世界
があるようで、なかなか難しい問題のようです。

　この薬を必要としている方も大勢いらっしゃいますので、安易な使用は謹ん
でいただきたいものですね。

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